いまから30年くらい前、わたしが学生だった頃でしたら、 「宇宙のどこかの星に、地球と同じような惑星があるに違いない」、 などと皆さんの前で話したら、 科学者としてその発言はいかがなものかと、 白い目で見られたでしょう。
今ちょうど山形大学で日本天文学会が開かれていますが、 太陽系以外のどこかにいる惑星の話がとても身近に感じられます。
星座を作っている星は恒星とよばれ太陽と同じような自ら光り輝くほしです。 その星座の星たちをよく見るとその回りに惑星がまわっているのです。 そんな惑星を持つ星としてみつかっているのは3000個あまりですが、 この感じで行くとほとんどの星に惑星がありと判断されそうな勢いです。
図1は、直接捉えられた惑星の映像です。
さらに、地球のようなサイズの惑星は木星のような巨大惑星より多いことが分かっています。 ケプラー望遠鏡の結果によると約2割が地球サイズです。 つまり、惑星として地球は結構ありふれた存在のようです。
その中で、液体の水が存在しそうな軌道のものも見つかって来ています。 すると、生命を持つ惑星もいるに違いないという気がさらにしてきます。 今回の天文学会では、宇宙にアミノ酸のもとになるメチルアミンという有機物が 宇宙からの電波の中で発見されたと報告されました。
太陽系以外の他の星の惑星がもっと身近に感じたのは、そんな惑星に名前を つけようという動きです。 天文学者は新しい惑星を見つけても、無味乾燥な数字や記号であらわすだけです。 しかし、それではなじみにくいものです。 世界天文学連合ではまもなく惑星の名前の提案を募集をするそうです。 たとえば、オリオン座の山形星には、 米沢、鶴岡、酒田、新庄、、、という名前の惑星があります、 という風になったらどうでしょう。 身近に惑星が感じられますね。
将来、「10年くらいかけて、新庄さ、いってくる。」といったらそれは地球上の 新庄市でなくて、オリオン座の新庄という惑星だったりするのでないでしょうか。 夢のような話です。
図1 惑星GJ 405b の発見映像(提供:国立天文台:すばる望遠鏡SEEDSプロジェクト) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/332-fig1.jpg 図2 野辺山電波望遠鏡でメチルアミンの周波数とのとこに電波がみつかりました(提供:大石雅寿ほか(国立天文台)) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/332-fig2.jpg
参考: