中秋の名月はご覧になれましたか。 見ることができなかった方も、 もう一度、お月見のチャンスがありますのでご安心ください。 旧暦九月の十三夜です。 栗名月ともいいます。 今年は、10月6日にあたります。 その二日後は十五夜の満月なのですが、 今年は、皆既月食で、この満月が欠けますのでどうぞこちらもお見逃し無く。
午後6時14分ころから欠け始め、やがて満月がなくなります。 このとき、よく見ると赤黒く月が見え、月が地球の影に入ったことが察せられます。 双眼鏡や望遠鏡で見るとはっきりするでしょう。 午後9時35分ころにはものと満月にもどります。 非常にゆっくりとした変化なので、慌てないでじっくり鑑賞ください。
昔、インドの人はこう考えました。 天に魔物がいて、その魔物が月をがぶりと飲み込むと、月食になるのだと。 そして、その魔物は一種の惑星であり、軌道上を移動すると考えていました。
今回の月食では、月が食べられてしまう場所は「うお座」の位置です。 魔物のことが気になったので、 1990年以降、日本で見えた月食について、月が食べられた場所を位置を調べてみました。 図2がそれで、横軸を食べられた位置(黄経)として、 上の方に星座の名前を入れました。 縦軸は1990年からの日数です。 そして、茶色の○が、月が食べられた位置、 つまり、月食を起こした場所です。
すると、魔物が日を追うごとに移動していく様子が浮かび上がってきます。 そして、魔物は二匹いることも分かります。 図の、青の点線のあたりを移動しているものと、緑の点線のあたりを移動しているものです。 こうして見ると本当に魔物が居て、惑星のように移動していることが感じられます。 昔の人々がやったように、丹念に月食の起こった位置をしらべ、図2をみると、 軌道上に移動する魔物を考えついたインドの人々の気持ちがよくわかりますね。 そして、次回の月食の位置を予想してみましょう。
図1 月食予報 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/333-fig1.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/333-fig1.pptx 図2 過去の月食の起こった星座 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/333-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/333-fig2.pptx
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