幾多の苦難を乗り越えて、小惑星「いとかわ」までたどり着き、 砂つぶを採取し、 地球に帰還した「はやぶさ」という探査機のことをご存知の かたも多いのでないでしょうか。 その感動的な惑星間飛行の顛末は、映画にもなりました。 それほど難しい飛行にまたも挑戦するのが「はやぶさ2」。 こんどは別の小惑星を狙います。 今年の年末に打ち上げ予定で、 いま準備作業が必死に行われています。
打ち上げ後、宇宙空間に放り出された探査機には もうだれも触れることは出来ません。 地上から発信された電波によってすべてがコントロールされます。 また、探査機で感じたこと (各部分の温度とか電池やエンジンの状態とか) が地上に電波で送られてきます。 故障しても探査機までは行けませんので、 地上からの信号だけで修理しなければなりません。
これらの信号のやり取りをするのが長野県佐久市臼田にある巨大な アンテナです。(図1) 直径は64メートルもあります。
最近は金星探査機「あかつき」との交信に使われているそうです。 金星ですから、太陽からわりと近い方向に探査機はいます。 「あかつき」の方向をずっと追いかけて通信しますので、 アンテナは主に昼間に働いています。 夜になると地球の自転によってアンテナは「あかつき」と 反対方向を向いてしまうのでお休みになります。 もし、探査機が太陽と反対方向、たとえば,現在の木星方向に居るなら、 アンテナは夜に働いて、昼間はお休みとなります。 この場合、働く人にとっては大変,夜昼逆転の生活をしなければいけません。
アンテナがある佐久市は星空・宇宙の町ということで、 千曲川を天の川に見立て、 「いて座通り」「おとめ座通り」等の名前の通りがあったりして、 私などにとってはなんだかいい感じです。
誰でもきれいな星空をみせてくれる「うすだスタードーム」という公開天文台もあります。 星空観察にはとても好いところで、 ここまでくれば天の川もばっちりきれいにみえます。 また、大きな望遠鏡もあって銀河の渦巻きもきれいにみえるそうです(図2)。
長野新幹線で軽井沢の次の駅ですので、 もし機会があったら訪問先に加えてはどうでしょう。 地形的に山形ととてもにているので、 風景がとても親しみやすい町です。
図1 JAXA臼田宇宙空間観測所 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/334-fig1.jpg 図2 佐久市臼田ドーム(口径60cm反射望遠鏡) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/334-fig2.jpg
参考: