星空を見上げた時、 点として光っているのが星です。 一方、ボーッとにじんだ光の雲のように見えるものもあります。 天の川は、ミルキーウエイともよばれ、雲のように見えますが、 天体望遠鏡ができて良く調べると、おびただしい数の小さな(暗い)星の 集まりであることが分かりました。 しかし、望遠鏡で見ても、雲のようにしか見えない天体がありました。 これをとりあえず「星雲」と呼びます。
図1は、オリオン大星雲で肉眼でもボーッとした光が確認できます。 図2は、「アンドロメダ大星雲」と呼ばれていたもの。 こちらもにじんだ光が肉眼で見えます。
星ではなくて、ガス(気体)や細かな塵が集まって密度の濃い部分が、 文字通り雲のように宇宙空間にはあります。 それが、 まわりの星の光を反射したり、 まわりの星からのエネルギーをもらって発光現象をおこしているのが星雲の正体です。
オリオン大星雲は確かにそのような星雲です。 ところが、「アンドロメダ大星雲」はどうも星雲ではなくたくさんの星の集まりのようだということが、 もっと大きな望遠鏡で見てわかりました。
こうして図3のような宇宙の姿がわかってきました。 まず、何千万個という星がひとまとまりになって星の大集団を作っています。 これを銀河と呼んでいます。 私たちの太陽系も、星の大集団である銀河の中にあります。 私たちのいるこの銀河を「私たちの銀河」とか「天の川銀河」とか「銀河系」と呼んでいます。 銀河系の中にはたくさんの星雲があって、オリオン大星雲もそのなかの一つです。
宇宙全体を見渡すとそこにはたくさんの銀河があります。 私たち太陽系からみるとそれらの銀河はボーッとした星雲のようにみえますが、それは星雲ではなくたくさんの星の集まりである銀河です。 「アンドロメダ星雲」も銀河の一つです。 このことがわかってからは「アンドロメダ銀河」という呼び方をするようになりました。 以上のことから、星雲と銀河の違いおわかりいただけたでしょうか。
図1 オリオン大星雲(提供:NASA/ESA) 図2 すばる望遠鏡超広視野カメラで撮られたアンドロメダ銀河(提供:国立天文台) 図3 銀河と星雲の違い(NASA/ESA/国立天文台提供の画像を合成し概念を示した図で、 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/340-fig1.jpg http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/340-fig2.jpg http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/340-fig3.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/340-fig1.pptx
参考: