となかい座

画像をクリック(拡大)

図1 12月18日午前0時ころの北の空

今日はクリスマスにちなんだ星座を紹介しましょう。 「となかい座」です。 今の時期ですと、真夜中に北の空をご覧ください(図1)。 ちょうど、トナカイが天高く飛んでるようです。 サンタクロースにはぴったりの時間です。

図1で北極星とカシオペアのちょうど間あたりの オレンジ色の点線で囲んだあたりがトナカイ座です。 微光星がごちゃごちゃとあるのですが、 トナカイの形をたどることは残念ながらできません。 粉雪に紛れてよく見えないのでしょうか。

図1にはトナカイの文字が無いことに注目ください。 図1では、全世界で現在共通に使われている星座と星座の境界線(赤い線)が表記されています。 つまり、世界共通の星座の中にはトナカイ座は含まれていないのです。 トナカイ座は、古代からある星座でなく、近世になって新しく加えられた星座です。 そしてその後、使われなくなり消えてしまったのです。


画像をクリック(拡大)

図2 フラスチード天球図譜第2図(1776年)(提供:Linda Hall Library)

天文学者ピエール・シャルル・ルモニエは、1736年から翌年にかけて、 地球の形が球でなくてすこし赤道側に膨らんだ 楕円形をしていることを測量によってたしかめる観測隊に参加していました。 観測地は、北欧のラップランドという寒い地域です。 そこで見たトナカイを記念してこのトナカイ座を設定したそうです。 その後、図2のようにフラムスチード天球図譜に掲載されました。 かわいいトナカイの絵もみえますね。

トナカイを記念したということですが、 私は、 地球の測量隊の隊長をした天文学者モーベルテュイと測量の成果を ルモニエは讃えたかったのでないかなと思います。


references
図1 12月18日午前0時ころの北の空
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/345-fig1.jpg
図2 フラスチード天球図譜第2図(1776年)(提供:Linda Hall Library)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/345-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/345-fig.pptx



参考: