双子の赤ちゃん星とアテルイ

星座を作っている星はみんな太陽と同じように高温の火の玉で、強い光を出しています。 星たちはとても遠くにあるので光る点にしか見えていませんが。


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図1 (アテルイ君は国立天文台のスーパーコンピュータコンピュータのマスコットです)

太陽は単独で存在する星ですが、夜空の星々のおよそ半分は連星と言って、 二つの太陽がお互いに回り合っている双子星です(図1)。 三つの連星もあります。

太陽がどのようにして作られたかは、惑星の形成と合わせておもしろい研究対象ですが、 連星もとても多いので連星が作られる仕組みも理解しなければなりません。 そして、連星であっても惑星があることが知られています。


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図2 双子の原子星(おうし座にある双子の原子星L1551NE) (提供:ALMA(ESO/NAOJ/NRAO))

図2は最近南米のALMA望遠鏡で観測された連星がつくられてゆく途中の映像です。 台湾中央研究院天文及天文物理研究所の高桑繁久さんたちの研究班が発表したものです。 図2の左側が観測された映像です。 物質の塊が二つに分裂し、双子として赤ちゃん星がちょうどできつつあり、 それでもまだ不完全で、 回りの物質が渦巻いている様子が見えています。 同じ状況を岩手県水沢にある国立天文台のスーパーコンピュータ「アテルイ』で計算した ものが図の右側です。このように、観測映像とコンピュータの力学計算を比較することに よって連星の形成の仕組みが解明されようとしています。

水沢にあるスーパーコンピュータの名前の「アテルイ」はどこからきたのでしょう。 もしかしたら、BS時代劇「アテルイ伝」を思い出したかもしれません。 昔、東北地方にいた蝦夷(えみし)の勇士で、ヤマト朝廷の軍が東北に攻め入った時、 一度は朝廷軍を撃退するなどの活躍をした人だそうです。 天文学専用コンピュータとしては世界一のこの「アテルイ」の名に、 自然科学の難題に挑戦する意気込みを天文学者はこめたのでした。


references
図1 (アテルイ君は国立天文台のスーパーコンピュータコンピュータのマスコットです)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/349-fig1.jpg
図2 双子の原子星(おうし座にある双子の原子星L1551NE) (提供:ALMA(ESO/NAOJ/NRAO))
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/349-fig2.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/349-fig.pptx



参考:
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0320/study/html/F05014.html L1551 http://www.nhk.or.jp/jidaigeki/aterui/html_aterui_midokoro.html http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%86%E3%83%AB%E3%82%A4 http://www.nao.ac.jp/news/science/2014/20141204-alma.html