春の記し、北斗七星

春を感じさせてくれる星をあげるとすればそれは北斗七
星でしょう。日が暮れると東北の高い位置に図のように
北斗七星がみえます。形がきれいなのできっと見つけら
れると思います。「ひしゃく」の形をした七つの星の内
のまんなかの星がやや暗いので注意して下さい。

ひしゃくをふくむ大きな範囲がおおぐま座とよばれる星
座です。ギリシア神話では、この星座は妖精のカリスト
が熊の姿に変えられたものということになっています。
なぜ、カリストが熊になってしまったかについてはいく
つかの話が伝わっていますが、アポロドーロスによれば
以下のようないきさつのようです。

カリストは処女であることを誓って女神の姿をしてアル
テミスという女神に仕えていました。しかし、大神ゼウ
スが彼女を気に入り、いやがる彼女と床をともにします。
そして、子アルカスをもうけます。ゼウスは正妻ヘラに
ことが発覚するのを恐れ、カリストを熊に変えてしまい
ます。

現代的には非常に不適切な話ですが、さらに、熊がなぜ
星座になって天に昇ったかという話が続きます。

青年に成長した子のアルカスがあるとき狩をしていると、
熊が近付いて来ます。これは、我をわすれて息子に近付
くカリストなのですが、そうとはしらないアルカスは近
付く熊に矢を放とうとします。

これをみて哀れんだゼウスは、カリストをおおぐま座に
アルカスをこぐま座にしたと言われます。


図1
北斗七星
東の空低く見える明るい星はうしかい座アルクトゥルス
(アストロアーツ社 ステラーナビゲータによって作図)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/35-fig1.ppt
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