4月4日土曜日は月食です。 満月が東の空から出てくると、やがてそれが欠け始め、 午後9時頃には地球の影に入ってすっかり暗くなってしまいます。 午後10時45分ころには元の満月に戻ります。
月食は太陽、地球、月が一直線上に並ぶときに起こります。 図1のように、太陽からの光が地球にあたると、宇宙空間には、地球の長い長い影ができます。 その影の中に月が突入すると満月が暗くなってしまいます。 普段の満月では図1のBの軌道(オレンジ色)のように、 影から外れた位置に月が通るのので月食にはなりません。 図2のAの軌道(青)のように月が通ると月食になるのです。
地球から月までの距離は約38万キロメートルあります。 一方、地球の影の太さは約1万キロメートルですので、影は細長いものです。 ということで、この細い影を月が通過する必要があるので月食はけっこう珍しい現象です。
月の通る軌道はいろいろで、地球の影の中心を月が通過すれば長いあいだ月食になります。 しかし、影をかすめるくらいのところ(図1の黄緑色のCの軌道)ですと、 時間が短い月食になります。 今回の月食はそのような短い月食で、たった12分しか月が完全に欠けた状態(皆既)にはなりません。 午後9時ちょうどの前後6分間だけ皆既になりますので、お見逃し無いようにおねがいします。
月をみながら、回りの星も見てみましょう。 非常に高い位置に木星、月のすぐ下に、おとめ座のスピカ、 月の北側(左側)に、麦星(うしかい座のアークトゥルス)が見えています。 図2のように春の大三角が見えるかもしれません。 週末ですのでゆったりとした気分で天体ショーをお楽しみください。
図1 月食のしくみ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/359-fig1.jpg 図2 4月4日午後9時頃の空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/359-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/359-fig.pptx
参考: