月の形3

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図1 月と金星の形は関係している

月の形についての最終回です。 4月23日の夕方西の空には月と金星が図1のような感じに並んできれいでした。 月の形の法則に従って、月の弓矢が向いた、オレンジ色の矢印の方向に太陽があります。 金星も実は望遠鏡で見ると図のような形をしていて、同じように太陽の方向を示しています。 太陽の光を受けて光る月や惑星の宿命で、 太陽の光を受けた部分が光っているのです。


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図2 光のあたり方と月の形

月や惑星は本当は球形なのですが、光を受ける部分だけが輝いて見えるので、 見かけの形は、光のあたり方によって三日月型や半月型などいろいろ変ります。 美味しそうなカブがあったので、さっそく光をあてて実験です。 図2のようにカブに光を当ててみると、自分の正面にあるカブは半分(図2では左半分)だけに光が あたるので、半月形に見えています。 もし、カブが光源の方に移動すると(図2で左手)、 暗い側が多くなり、三日月型にみえます。 このように、光の当たっている部分をどの方向から見るかで違った形に見えるのです。

結局、太陽の光が来る方向、自分の立ち位置(これは時刻に対応します)、月の位置の3者の 関係で、月の形、見える方向が確定します。図3が完成図です。 太陽が右にあるとします。自分の立ち位置は地球上で一日を周期として変ります。 図の夕方の位置から、夜中、朝方、昼間へと立ち位置は移動します。 月は、図の「あ、い、う、え、お、あ」と公転運動しています。 周期は、ひと月です。 例えば、今日の月は図で示した位置にいて、夕方の立ち位置ですと、月は左手前方(南東)で半月よりふくれた形に見えています。


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図3 月の運動

実感できないときは「カブ」に光を当てて実験してみましょう。

(3回続いた月の形シリーズは読者からのご質問にお答えするつもりで書きました。 宇宙・星空の疑問がありましたら遠慮せずお手紙ください。 お待ちしております。)


references
図1 月と金星の形は関係している
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/363-fig1.jpg
図2 光のあたり方と月の形
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/363-fig2.jpg
図3 月の運動
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/363-fig3.jpg
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/363-fig.pptx



参考: