春の星座を満喫しましょう。 これだけは絶対に見つけたいなと私が思う星座は 4つあります。 それらは春の大曲線と呼ばれる美しい曲線でつながれています。
まず、最初は北斗七星ですが、これはおおぐま座という星座の一部です。 図1の黄色い点線でむすばれた七つの星です。 星座の起源は古代メソポタミアとよく言われますが、 おおぐま座は古代メソポタミアにはありません。 この場所はメソポタミアでは荷車座になっています。 エジプトではこの場所は「牛の前脚」です。 時代が下って、ギリシャ神話の中にはおおぐま座の話がでてきますが、 いつからおおくま座が導入されたか、どの民族が使っていたのか、はいずれも謎です。 しかも、図1のように、北斗七星以外の暗い星が熊の姿を表していて、 肝心の北斗七星の部分は本物の熊には存在しない長いしっぽが割り当てられています。 これは星座の謎の中でも最大級の謎です。
その、しっぽの部分を延ばすときれいな曲線が描けて、 それがうしかい座の一等星(アルクトゥルス)、おとめ座の一等星(スピカ)、からす座の四角形を貫きます。 特に、うしかい座の一等星は、実測すると一等星よりワンランク上のゼロ等星で、とても明るい星です。 個々の小さい星座を覚えるよりも、 全天を切り裂くようなこの大きな図形「春の大曲線」を見つけましょう。
すこし曇っていたりすると、星座にとてもなれた人でも、星座を見失ってしまうことがあります。 そんなときでも春の大曲線はとても頼りになる図形で、 私はいつもこの図形をまず探すようにしています。
今週は月明かりが無いので星座散歩をお楽しみください。
図2 ピンク色の点線が春の大曲線。5月上旬、夜の時ころの東の空。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/365-fig1.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/365-fig.pptx
参考: