超音速の早さで宇宙空間を飛んでいる天体が見つかりました。 銀河系の中では最高速度でないかと言われています。 外国の人は灯台星雲と呼んでいますが、 私たちとしては宮沢賢治の作品からとって「風の又三郎星雲」と命名したいところです。
図1の画像の右下に白くみえるのがその風の又三郎星雲、頭の部分が丸くあって、 その後ろにマントを風にたなびかせています。 岩手県種山高原の星座の森にある彫像のイメージと重ねてみました(図2)。 この星雲は矢印の方向に毎秒千kmの速度で移動しています。
この天体が誕生したのは左上に紫色にぼやっとした領域です。 そこで大質量の星が爆発して爆風が広がっています。 超新星爆発の残骸です(緑の点線)。 爆発の結果、中心部が凝縮してパルサーという天体ができます。 パルサーは超新星爆発の残骸の中に居るのが本当ですが、 時に爆発時にキックされて猛烈なスピードで走り出すことがあります。 今回はその速度がとても早いのでこんなに移動しました。 パルサーから出るガスが後方にたなびいてマントのように見えます。
面白いのは、進行方向とは垂直に右上に向かって、 くねくね曲がったジェット状のもの(紫色)が見えています。 これは風の又三郎が起こしたつむじ風のように見えませんか。 天文学者は、頭の部分にあるパルサーが自転していて、 自転軸に沿ってジェットを出していると考えています。 ジェットの出る方向が、コマの自転軸がふらつくように、変化するので、 右上に向かって伸びるジェットもフラフラして見えるのです。
図1 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/366-fig3.jpg http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/366-fig1.jpg 図2 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/366-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/366-fig.pptx
参考:
The long helical jet of the Lighthouse nebula, IGR J11014-6103 \bibitem[Pavan et al.(2014)]{2014A&A...562A.122P} Pavan, L., Bordas, P., P{\"u}hlhofer, G., et al.\ 2014, \aap, 562, A122 http://adsabs.harvard.edu/abs/2014A%26A...562A.122P