土星が出ているので見つけてみましょう。 夏至のころですので、日の入りが遅く、8時過ぎにならないと星空は見えません。 また、南に建物があるとみ見えないので、障害物がない広いところに出てみましょう。 図1のような星空になっていると思います。
南東を向いて立つと、 明るく目立つ星は3つあります。 右手(南)の高い位置の白い星がおとめ座のスピカです。 正面(南東)のやや土色がかって見えるのがお目当ての土星です。 左下の赤い星がさそり座のアンタレスという星です。 アンタレスはさそりの心臓で、右上のみっつの星が頭の部分です。 左下に毒針を持つ尾が続きますがこの時間ですとまだ昇って来ていません。
サソリの爪の部分が星座としてはてんびん座になっています。 星の並びかたから天秤を想像するのは難しいので、 私はとりあえず図1の緑の線のように結んで、 「へ」の字の形をしたやじろべいを想像して我慢しています。
このサソリの爪の部分に土星がある状況というのは、 古代メソポタミアの粘土板の文献にもでてきて、 このようなときは王は敵を征服するだろう、と書かれているそうです。 かなり、運の良い状況のようです。 さそり座、てんびん座の方はなにか幸運を見つけ出してみてはいかがでしょう。
土星は環があることで有名です(図2)。 しかし、この輪を肉眼で見ることはできません。 ちょっと計算してみたところ視力10から20くらいは必要です。 しかし、 小さい天体望遠鏡でも簡単に見ることができますので、 公開天文台などを訪問してぜひ自分の目で輪を見ていただけたらと思います。
図1 2015年6月下旬、午後8時頃の南東の空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/371-fig1.jpg 図2 土星の輪(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/371-fig2.jpg パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/371-fig.pptx
参考: