新種の星探し
今、山形大学の私たちの研究室では新種の星探しをしています。
銀河系には何千、何万という電波を放射するパルサーと呼ばれる星があります。
この星は自転の回転エネルギーをエネルギー源として電波やX線を出しています。
図1は星が爆発して大きな風船のように広がった映像です。
その中心に青く見えているあたりにパルサーが輝いています。

当然予想されるようにX線で見たときのパルサーの明るさは、そのパルサーの
自転パワーにほぼ比例して明るくなっています。
図2は緑の点は53個のX線で観測されたパルサーのX線で見たときの明るさを
グラフの縦軸に、
回転パワーを横軸にとって、表したものです。
確かに、X線の明るさと回転パワーが関係していることが分かります。
青の直線に沿って分布しています。
必ずしも綺麗に直線に並ばないのは、パルサーまでの距離の誤差が多いなど、
様々な不定性が影響しています。

ところが、最近観測されたパルサーで、
パルサーの持っている磁気が強いものを集めて来て、
同じグラフに示すと、さて、不思議なことに気づきます。
図2の赤い点がその様子です。

従来知られていた青のラインにおかまいなくほぼ水平に並んでいるように見えます。
特に回転パワーが小さくてもX線で明るく輝くものがあります。
私たちは、これらのパルサーは回転パワーでなく、
磁気パワーで輝いているのでないかと睨んでいます。

そこで、現在、大学院の2年生の渡邉さんとともに、電波パルサーのなかで
X線で異常に明るいパルサーを徹底的に探しています。
ほとんどのパルサーは図2の青い線に沿っています。
赤い点のようなパルサーは希です。しかし、X線で異常に明るいパルサーを
たくさん見つけて、いったいどういう事情で回転パワー以上のパワーが出てくるのか、
それは磁気パワーなのか、を解明しようとしています。
結果が分かったらまた報告しますね。




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図1 超新星残骸のX線映像。中心にパルサーが見える。(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/374-fig1.jpg
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図2 電波パルサーのX線光度 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/374-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/374-fig.pptx