みずがめ座
夜がやってくると、東の空から「はみずがめ座」が昇ってきます(図1)。
正式名称(ラテン語)はアクアリウスで、清涼飲料水の商品名に利用されていますが、
言葉の意味は水汲み人です。

ギリシャ神話では、水汲み人ではなくお酒をつぐ美少年です。

ある時、大神ゼウスはトロイアの国に光輝く美少年ガニュメデスを見つけます。
「おお、なんと美しい少年。そばにおいておきたいものだ。」
と思いました。

とかくするうち、ゼウスと妃ヘラの娘ヘーベがヘラクレスと結婚することになりました。
これまでヘーベは宴会の席では神々にお酒をつぐ役目をしていました。
そこでゼウスは、今後ヘーベの役割をあのガニュメデスに務めさせようと思い立つと、
鷲の姿に変身し、トロイアの高原に出、
そこに居たガニュメデスをぐいっとつかむと天に連れ去りました。

悲しみに包まれたのはガニュメデスの家です。
ガニュメデスの父と母は泣き暮らしました。
いっぽう、天の宮殿のガニュメデスも父母のことが心配でなりません。

ゼウスは伝令ヘルメスを使わし言います。
「息子のことは心配しないように。
息子は、宮殿の宴で、
美しい音楽と踊りのなかでルビー色に輝くネクトル(酒)を
神々の杯についでいる。
安心しなさい。
息子は美しいまま死ぬことも無く、空の星になり、そして輝き続けることになる。」

父を母は星になった息子の姿をあおいで、息子の幸せを祈りました。

クレオパトラの時代のデンデラ神殿の星座絵、
バビロニアの印章を参考にしてみずがめざのイメージを現代風に書いてみました(図2)。
最後に、みずがめ座の見つけ方を説明します。
図1で秋の四辺形のaとbの延長上にみなみのうお座の
フォーマルハウト(一等星)を見つけます。
あとは、図1を参考にして黄色の水瓶の部分、緑の美少年の姿、
水色の水の流れがみなみの魚に繋がる部分を見つけてください。





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図1 8月下旬から9月上旬の夜8時頃の東の空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/380-fig1.jpg
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図2 みずがめ座のイメージ図 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/380-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/380-fig.pptx