季節の星座
職場から帰る頃、日が沈んだばかりの西の空に明るい星が輝いています(図1)。
宵の明星ではと思ってしまいますが、そうではありません。
これは「麦星」です(西洋のいい方では「うしかい座」アルクトゥルス)。
春の代表的な星です。
もう秋なのにと思ってしまいます。

そして頭上を見ると図2のような星が見えています。
分かりやすいように高度と方位の線を書きました。
頭上は天文学の用語では「天頂」で、方角をしめしました。
天頂のまわりに夏の大三角が見えています。
はくちょう座の大きな羽を広げて飛ぶ姿(図の緑色の星座線)が印象的です。

夜、9時頃に真南の低い空に明るい「秋のひとつぼし」と呼ばれる、
「みなみのうお座」のフォーマルハウトが見つけやすい星です。

そして、夜勤の後、眠れない夜、飲み会などの帰り道、夜11時頃に東の空を見ると、
真東から北よりに「ふたごの星」(ふたご座のポルックス(下)とカストル(上))があり、
南よりにオリオン座の「みつぼし」が昇って来ています。
両方ともぼぼ垂直に縦に並んでいるので見つけやすいと思います。

図の大きさを知っておくことは星を見つけるためには大切です。
水平に腕を前にのばして、「げんこつ」が作る大きさと較べましょう。
「ふたごの星」は真東からげんこつ三つ分だけ北より、
「みつぼし」はげんこつ二つ分だけ南よりの位置にあります。
地平線からげんこつ4つ分くらいの高さに、おうし座のアルデバランという明るい星が見えます。
ちょっとオレンジがかった色をしています。

こうしてみると、春から冬まで半年以上の長い時間を星の中に感じることができます。
過ぎ去った春のとこ、夏のこと、これからやってくる冬のことを考えながら
ゆったりとどうぞ星々をご覧ください。
なにか、耳の奥から音楽が聞こえてきませんか。



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図1 10月14日午後6時頃の西の空(ステラリウムを用いて作成) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/387-fig1.jpg
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図2 同じ時、頭上の星々 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/387-fig2.jpg
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図3 10月14日午後11時頃の東の空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/387-fig3.jpg
本文終わり
パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/387-fig.pptx