はやぶさ2
惑星探査機「はやぶさ2」(図2)が小惑星リュウグウに向かって旅立ちます。
昨年、12月3日に無事打ち上げに成功し地球を出た「はやぶさ2」でしたが、
その軌道は地球の公転軌道とよく似たものでした。
そして、ちょうど一年経った今年12月3日に地球に戻って来ます。

どこにもいかず、ちょっと散歩して自宅に戻ったみたいです。
これには作戦があります。
今回の地球大接近のときに地球の引力を利用して、軌道を曲げ、スピードを少しアップします。
地球の力を借りて、
目的天体である「リュウグウ」にめがけて放り出してもらう感じです(図1)。
この、地球の引力を利用する航法をスイングバイと呼びます。
「リュウグウ」到着は2018年の6月か7月の予定です。

このスイングバイの様子を地球から望遠鏡で見ようと計画している人々が居ます。
「はやぶさ2地球スイングバイ」観測キャンペーンです。
やまがた天文台も参加していますが、とてもとても難しい観測のようです。
3日の日没から19時頃にかけて見えそうなのですが、明るさは11等から12等と予想されていて
とても暗いですし、まだ、夕日の光が残っています。
しかも、星とはちがって移動します。
大きな望遠鏡と高感度のカメラが必要です。
全国でたくさんのチームが挑戦しますが、どのチームが観測に成功するでしょうか。

「はやぶさ2」が目指す小惑星はC型といって、炭素や炭素を含む有機物、そして水を
多く含む小惑星です。
地球が出来たばかりの頃、この種の小惑星が隕石として地球に降り注ぎました。
地球の海や生命の誕生と関係しているかもしれません。
実際に、「リュウグウ」のサンプルを取って地球に帰ることができたら、
太陽系や地球の成り立ちについていまよりもっとたくさんのことが分かりそうです。
楽しみですね。
地球帰還は2020年の予定です。




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図1 スイングバイの軌道(JAXA提供) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/392-fig1.jpg 原典 http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151014/
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図2 はやぶさ2(JAXA提供) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/392-fig2.jpg 原典、JAXAデジタルアーカイブス 新聞等のメディアは使用自由条件有り http://jda.jaxa.jp/result.php?lang=j&id=a2e2df2ef1adf379e9193d1a1074266c
本文終わり
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