はやぶさ2スイングバイ
今日の原稿は、ちょうどはやぶさ2のスイングバイの観測を終えて書いています。
このコーナーのNo.392で紹介しましたが、惑星探査機「はやぶさ2」は、
ついさきほど(12月3日午後7頃)に地球の引力を借りて、加速して、目的地である
小惑星「リュウグウ」に向けて旅立ちました。
その旅立ちをみようと全国各地の天文台で、
地上からはやぶさ2をとらえる試みがなされました。
撮られた画像は以下のホームページでたくさん公開されています。
http://www.city.himeji.lg.jp/hoshinoko/kansoku/openobs/hayabusa2_obs.html
山形でも写真機と望遠鏡を準備して待ち構えました(図1)。
はやぶさ2は非常に暗いので肉眼(人間の網膜)では
感度が悪すぎ、写真に撮るのが一番よい方法です。
残念ながら山形はその時刻に雨模様の天気となり観測できる状況ではありませんでした。
ところが突然、6時20分頃と50分頃の2回、ほんの少しですがはやぶさ2のいる方向、
最初こぐま座のあたり、
次にぎょしゃ座のあたりの雲が裂けて、なんと、星が顔をのぞかせました。
これをのがさじと一斉にシャッターが切られました(図2)。
それでも写真が撮れたのは数分間のみでした。
一枚の写真で6等星まで写っていてもそれでははやぶさ2は写りません。
そのような写真をハヤブサの位置にあわせて100枚重ねると11等星まで浮かび上がって来ます。
しかし、晴れたのはほんの短い間ですので枚数が少なく、この重ね合わせの術が使えません。
今回のチャンスは山形では悪天候のためはやぶさ2を見ることは出来ませんでしたが、
また、別のおもしろい天体がでたら皆でカメラを宇宙に向けたいと思いました。
12月は忙しく、こんどは12月7日に、金星探査機「あかつき」が金星を周回する軌道へ
投入されます。2010年に投入しに失敗し5年間チャンスを探していましたが、
いよいよそれが実現するときです。(この記事が掲載される頃には結果が出ているでしょう。)
金星の大気は時速360キロメートルの猛スピードで流れています。
金星の雲の成分は硫酸です。こんな金星大気の不思議が解明されると期待されています。
このようなニュースを聞いていると、
私たち人類も宇宙人の仲間入りしたのだと感じます。
ひろい宇宙から人類をみたらどのように見えるのでしょう。知的なすごい宇宙人に見えるでしょうか、
それとも宇宙の中では愚かな部類に入るのでしょうか。
頑張らないといけない気分になりました。
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図1 やまがた天文台屋上のはやぶさ2観測スタッフ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/395-fig1.jpg
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図2 雲の間から星空(ぎょしゃ座の星々)がのぞいたのですが、、、山形でははやぶさ2の撮影にいたりませんでした(撮影:井上晃一さん)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/395-fig2.jpg
本文終わり
references
http://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/6285.html あかつき12/7