おうし座の頭
心の隅に冬の星座のことをおいておいてくださいませんか。
雪が降っていても突然30分程晴れたりしてみごとな冬の星座が見えるからです。
今週、7時頃夜空を見ると、ちょうど見つけやすい位置に「おうし座」が見えています。
有名な「すばる」がある星座ですが、「すばる」は視力がいまいち調子良くないときとか、
街の明かりがあると見つからないこともよくあることです。
そこで、もっと見つけやすいものを今日は紹介しましよう。
図1をご覧下さい。だれでも絶対にわかる天頂(真上)からスタートし、そこから南にちょっと視線をずらすと、V字型の星の並びがみつかります。
V字の左上に明るいオレンジ色の星(アルデバラン)があります。
ギリシャではこのV字の並びをおうしの顔にみたてておうし座としました。
もし、オリオン座を見つけられる方は図1のようにみつぼしの延長したところにV字型の星の並びをみつけることができます。
この星の並びはとても特徴的なのでいろいろな名前がついています。
ギリシャでは牛でしたが、おもしろいことに日本ではウマの顔ということになっています。
(図2参照)
見る方向を変えて、「つりがね星」とする地域もあります。
同じ場所を傘とする地域もあります。
中国には、このV字の位置に月が重なると大雨になるという言い伝えがあります。
天文学上ここの星たちはとても重要です。
アルデバランをのぞいたこの領域にある多数の星はヒアデス星団と呼ばれています。
ほぼ同時に誕生した星々の集まりです。
この星団の星の色と明るさの研究は星の誕生と進化の研究に使われました。
また、この星団の星が動いている様子が何年もかけた位置の測定であきらかになりました。
この動きを利用してヒアデス星団までの距離が計算されました。
その距離は、160光年です。
私が生まれるずっと以前、160年も前にヒアデス星団の星々から出た光がいま目に入って来ていると思うと、
私の一生も宇宙の歴史のひとコマとしてしっかり刻まれているのだなと感じます。
画像をクリック(拡大)
図1 おうし座の見つけ方(2月上旬、午後7時頃の夜空)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/402-fig1.jpg
画像をクリック(拡大)
図2 おうし座の見方のいろいろ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/402-fig2.jpg
本文終わり
references
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/402-fig.pptx