ふたつの三角
夏至が近くなってきて、日没が遅くなっています。
星空を楽しむのは午後8時半から9時近くなるでしょう。
梅雨に入る前の晴れ間を大事に思って、夜空をゆったりとした気持ちで見てあげてください。
きっと空の星たちも喜んでくれます。

見つけやすい三角形を二つ紹介しましょう。
まず、南からやや東の地平線のすぐ上に赤い星の三角形を見つけましょう。
図1のように見えると思いますので、図を参考にして探してみてください。

さそり座の赤い星「アンタレス」が一等星です。
その左上にそれより三倍くらい明るい土星が土色をして輝いています。
右上に離れたいちに、土星より更に3倍くらい明るい火星が輝いています。
火星も赤いのでこの三角形は全体として「赤のトライアングル」とでも呼びましょうか。
美味しいカクテルのような名前ですね。
火星は大接近中です。

目を転じて、東の空、やや北よりには今度は「白のトライアングル」が見えます。
大きい三角形ですので、胸をはって深呼吸して、大きいぞと思って探してください。
図2のように見えると思います。
高い位置に一番明るい織姫星が見え,左下にはくちょう座のデネブ、右下の地平線
近くに彦星が見えます。彦星は8時台だと地平線に近いため見えないかもしれません。
9時になればしっかり地平線より上に出るので見えるでしょう。
この三つの星が夏の大三角です。星の色はどの星もおおよそ白色で、南の空の赤い星々とは対照的です。
見比べてると星の色の違いがよくわかると思います。

「白のトライアングル」は永遠にありますが、「赤のトライアングル」は惑星を含むので
今だけしか見ることができません。土星と火星は惑星ですので時間が経つと移動するからです。
来年はもう見えない三角ですので是非お見逃しの無いように。



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図1 6月8日午後9時頃の南の空(ステラリウムを用いて作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/420-fig1.jpg
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図2 6月8日午後9時頃の東の空(ステラリウムを用いて作図) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/420-fig2.jpg
本文終わり
references パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/420-fig.pptx