超新星残骸
宇宙というと雄大でゆったりしていて、悠久の歴史といったイメージですね。
それでも注意深く見ていると変化を知ることが出来ます。
1572年にティコ・ブラーエと言う人が詳しい観測記録を残したことで有名な超新星爆発が起こりました。
日本でも昼間でも見えたはずです。
場所はカシオペア座です。
肉眼で14日間見えたそうですから、
織田信長も豊臣秀吉も徳川家康も武田信玄も、
おおくの戦国の武将もたちも見ていたはずです。
突如現れた明るい星に何を感じたのでしょう。
星が粉々になってこのとき飛び散りました。
そして現在では、図1の様になっています。
天文学では、超新星によって星の破片が飛び散ったこのような跡を「超新星残骸」と呼ばれます。
爆発で出来た図1のバブルの直径は満月の4分の一くらいです。
2000年と2009年に撮った写真を較べてみましょう(図2)。図1の右下の部分を比較しています。
爆風の先端は青く写っています。Bとその左上の星の間にある青い筋が前進しているのがわかりますか。
Aの星との位置関係をみても青い筋が移動しているのがわかります。
この速さはおよそ毎秒2千kmもあります。
すごい速さで、もちろん超音速です。
この超音速の爆風では人類が作りうる最高エネルギーの粒子よりもさらに高いエネルギーの粒子が作られています。
その証拠が画像での青い筋です。
一方、爆発のバブルの中には黄色や赤い部分があります。
ここには、星で作られたケイ素、鉄などの有用な元素がたっぷり含まれています。
これが宇宙に広まって、ふたたび集まった時、ケイ素から作られた岩石や鉄をたっぷり含んだ砂粒が生まれます。
超新星残骸は星が爆発して死んだあとの墓場ですが,また、新しい惑星が誕生する元にもなっています。
地球もこうした宇宙の輪廻のなかで生まれたのでした。
画像をクリック(拡大)
図1
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/423-fig1.jpg
画像をクリック(拡大)
図2
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/423-fig2.jpg
画像をクリック(拡大)
図3
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/423-fig3.jpg
本文終わり
references
tycho_2000画像をクリック(拡大)
tycho_2003画像をクリック(拡大)
tycho_2007画像をクリック(拡大)
tycho_2009画像をクリック(拡大)
convert tycho_2000.jpg tycho_2000.gif
convert tycho_2003.jpg tycho_2003.gif
convert tycho_2007.jpg tycho_2007.gif
convert tycho_2009.jpg tycho_2009.gif
パワポ
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/423-fig.pptx
織田信長 1534-1582
豊臣秀吉 1537?-1598
徳川家康 1543-1616
武田信玄 1521-1573