天体のひろがり
先週は、太陽の様な星が私たちの回り数千光年の空間にいっぱいあって、
それを星座の星々として見ている、ということを書きました。
方向と距離がわかる幾つかの有名な星を描いてみて、
太陽の回りの空間を再現してみました。

その図は宇宙の広がりがとてもよくわかるので、自分でも気に入ってしまいました。
こんどは天体写真集などでよく登場し、
また、実際に、小型の望遠鏡でも見ることが出来る天体を立体図で表してみることにしました。

図1のように6つの天体を取り上げましょう。
(1) 暗黒星雲で形が馬の頭に似ているのでそうよばれる馬頭星雲。
(2) リング星雲。
(3) かに星雲。
(4) オリオン大星雲。
(5) 球状星団M13。
(6) すばる(プレアデス星団)

地球からの距離と方向を使って図2の様に描きました。
オレンジ色の格子の作る面は天の川にそった銀河面といいます。
矢印はいて座の方向です。
こうしてみると星雲も星団(星のたくさん集まったかたまり)も数千光年の広がりの中にあることがわかります。

私たちを癒してくれる星座の星々、双眼鏡や望遠鏡や写真でみえる星雲や星団、みんな数千光年の空間の中にあるのですね。
人類の文明が数千年昔に始まったことが思い起こされます。
文明が始まった頃、星を出発したひかりが数千年かかって、やっと私たちの目に入ってくる,
一方で、私たちは数千年の歴史の結果としてここに立っている。
不思議な時間の一致です。

距離という観点では、球状星団は特殊です。
球状星団は数十万個の星の集団で、
その明るさは太陽が数十万個分もあるのてとても明るものです。
なので、かなり遠くにあっても地球から見えます。

ここで重要なことが分かります。
地上から可視光線でみえる天体は数千光年の範囲であって,
それより遠くの世界がいったいどうなっているのか、それを知ることは難しいということです。
でも知りたいですね。より遠い世界。
これは次の機会にお話ししましょう。




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図1 いろいろな天体(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/443-fig1.jpg
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図2 いろいろな天体の空間での位置 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/443-fig2.jpg
本文終わり
references プロットデータ 443.data awk -f 443.awk > 443.ps plot 443 してください。 パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/443-fig.pptx