金星が最大光度
夕方西の空に宵の明星の金星がとても明るく見えています。
あまりにも明るいので何か人口の光でないかと思うほどです。
それもそのはず、2月17日に最大光度を向かえ、
今が一番明るい時期です。
マイナス4.6等という明るさで、いわゆる一等星よりも
百倍以上の光量があります。
薄い雪雲なら突き抜けて存在がわかるほどです。
夕方の空に金星を見つけてください。

最大光度という言葉から、
金星は明るさが変るものだということがわかります。
これは、太陽から離れてみやすいと言うことではなく,
金星の明るさ自身が変化するのです。

意識することは無いと思いますが,
図1のように、 沈んだ太陽があって、
金星の軌道があります。
金星は軌道に沿って太陽のまわりを公転しています。

そのため、金星は図2のように満ち欠けをします。
図のA→B→B→C→DそしてまたAに戻る道筋で、
月と同じように、
満月形、半月形、三日月形、新月のように形が変化します。
太陽の光に照らされた部分が光るからです。

月であれば満月形で最高に明るく、新月形では真っ黒です。
しかし、金星にはもうひとつの特徴があります。
地球から見たとき、金星までの距離が変化するということです。
距離の意味では、
図2下のAのとき一番近くにいて明るいはずですが,
新月状態なので実際は暗くて見えません。
満月形のとき一番遠くにあります。
折角満月形なのに、距離が遠いために暗くなります。
半月形ではそこそこ明るく距離も近いので結構明るく見えます。
計算してみると図2上のグラフのようになり、
半月から三日月形に変る途中で、
距離と形がちょうど良くて明るい時期があることがわかりました。
これが最大光度の仕組みです。

望遠鏡の無い方は、ぜひ天文台にお越し下さい。
望遠鏡で、三日月形で大きな金星を見ると納得です。





画像をクリック(拡大)

図1 夕方の金星と軌道 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/454-fig1.jpg
画像をクリック(拡大)

図2 金星の明るさの変化 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/454-fig2.jpg
本文終わり
references 計算式は res/pulse.tex のなか プログラムは/Users/shibata/Desktop/ss/Vol-12-2016/res/pulse/m1/g.f パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/454-fig.pptx