居酒屋の法則
居酒屋の前に立って、暖簾をくぐる人の数を数えるだけで、店内をいっさい見ることなく、
店内のお客さんの人数を推測することができます。
中を見ていないので、どんなに大きな店か、あるいはどんなに小さい店かはまったくわからなくても。
図1は時間の経過とともに入店する人と店を出て行く人の数をカウントした結果です。
プラス1は店に入ったカウント、マイナス1は店を出たカクンとを示しています。
このデータから平均して10分に一人の割合で入店、出店があり、定常状態、つまり、店内に入る人数が
ほぼいつも同じ人数になっていることがわかります。
平均入店数は毎分0.1人です。
よく見ていると店の滞在時間がわかります。平均して約90分で店をでてくることが分かったとします。
すると、店内の人数はずばり、0.1かける90で9人です。
つまり、店内の人数は毎分の入店人数掛ける平均滞在時間と計算されます。
よく考えると当たり前の計算ですが、店内を見ることなく店内を想像できところが面白いですね。
この計算の応用は自然科学のいたるところで可能です。
図2は私たち太陽系を含む星の大集団である銀河系の想像図です。
このなかに、太陽と同じような星は何個あるでしょう。
太陽の寿命は約100億年と分かっています。
したがって、居酒屋の原理を使えば、太陽のような星が誕生する割合を観察して、年間1個ということが
わかるとすれば、
年間の誕生数である1個に星の寿命100億年を掛けて、100億個の太陽のような星があることがわかります。
逆に、銀河系の中にある太陽のような星の単位体積あたりの個数を数え、それに銀河系の体積を掛けて、
銀河系の星の数がわかれば、その数割る星の寿命で、年間何個の割合で星が生まれ死んでいくかが計算できます。
ちょっと大雑把な計算ではありますが、こう言った考えでいろいろな推察が楽しめます。
みなさんもいろいろな計算を楽しんでください。
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図1 居酒屋の出入りの様子
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/476-fig1.jpg
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図2 銀河系の想像図(提供:NASA)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/476-fig2.jpg
本文終わり
パワポ
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