太陽はひとつ?ふたつ?いっぱい?
太陽はいくつか、ときかれれば普通は一つと答えるのでないでしょうか?
昔、太陽はたくさんあって暑くてたまらなかったので神様が一つにしたとか、
争って結局一つになったとかいう神話もあるそうです。
これは古代の人々が太陽は一つだよ、これは神様が決めたことだよ、と言いたかったのかもしれません。

私たちの太陽は確かに一つで、それは表面温度が6千度もある高温の火の玉です。

しかし、夜空に輝く星たちのどれかに、地球と太陽の距離と同じくらいの距離まで近寄ってみると、
どれも太陽のような火の玉です。
夜空の星の一つ一つは太陽のようなものなのです。
しかし、あまりにも遠くにあるので光る点にしか見えません。
光るちっちゃな点なので、これらを太陽とは言わず星と言っています。

星座をつくるどの星も近くによってみると太陽のようであることがわかりました。
もっとおもしろいことには、どの星も近寄ってよく見ると、大抵はその星の周りを回る惑星が存在することです。
宇宙には太陽がいっぱいあって、惑星もいっぱいあると言ってもいいかもしれません。

私たちの太陽は一つで、太陽系には惑星は8個しかありませんが、
宇宙にはたくさんの太陽があって、それぞれの周りには何個かの惑星が回っていることが最近の研究でわかってきたのです。

さらに、おもしろいことに夜空の星の半分近くは太陽のような星が二つでペアを作っていて、
互いの引力によって引き合って回っています。連星といいます(図1)。
すると、連星の周りにも惑星が回っているだろうと想像できます。
軌道は単純ではないでしょうけれど。

想像力をたくましくして、ここまで説明してきましたが、ケプラー望遠鏡が本当に連星とその周りを回る惑星を見つけてしまいました。
惑星の名前はケプラー16bと言います。
図2のように太陽のような星(太陽の質量の70パーセントほどの重さの星)の周りに太陽より低温の小さな星
(太陽の20パーセントほどの重さの赤い色をした星)が回っていて、
この二つの星の周りを回る惑星が二つの星の前を横切るという現象(図2)を発見したのです。
この惑星にいきものが住んでいて、空を見上げると火の玉が二つ、つまり、二つの太陽が見えることでしょう。

太陽がみっつという惑星もきっとあるのでしょうね。





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図1 単独星と連星 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/479-fig1.jpg
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図2 ケプラー16bの想像図(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/479-fig2.jpg
本文終わり
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