夕方の空 一日の仕事を終えて、ちょっと涼しくなった夕暮れ時の 空はとても心をいたわってくれそうないい空ですね。夕 焼けから徐々に星が見えてくるころ、西の空をみている と宇宙空間にぽっかりと孤独に浮かぶ地球と言う宇宙船 に乗って、宇宙を眺めているのだなという気分になりま す。これがとっても好きなのですがこの気分になるため にはちょっとした「宇宙飛行訓練」が必要です。 図1は8月4日の午後七時20分頃の西の空です。この 日は三日月があってきれいです。今日から8月上旬はほ とんど変わらない景色です(ただ、三日月はこの日だけで すが)。現在の太陽系の惑星の配置を図2に示しますがこ れと実際に見る景色を合わせて考えると、まさに、宇宙 船に乗った感じがしてくるのです。 地球に近いところから、先ず、月があります。あの三日 月までは約三十八万km あります。光だと約1秒で月に到 達します。次に近いところに太陽があります。約1億五 千万km遠方、光だと約8分かかります。図1では太陽は 地平線の下で見えませんね(そのことも想像しながら夕 焼け景色を見ます)。その向こう側に金星があります。金 星は太陽の回りをまわっていますが今は太陽の向こう側 に位置します。金星までは2億八千万km、光で行くと約 13分かかります。遠いんですね。地球の外側を回る火 星が見えています。そこまでは約3億五千万km とはるか向うです。 光だと約19分かかります。さらに、遠く土星があります。 十五億km 先です。光だと1時間20分かかります。この ことを考えながら段々と夕焼けの向うの星に距離感がで てきて、やがて自分が宇宙に浮いている気分になります。 ちょっと練習が必要ですが、この境地はなかなかのもの ですから挑戦してみてください。 図1 8月4日午後7時20分ころの西の空 (アストロアーツ/ステラナビゲータを利用して作成) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/49-fig1.ppt http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/49-fig1.jpg 図2 このときの惑星と月と地球の位置関係 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/49-fig2.jpg ------------------------------------------------- 捕捉(未掲載)