エネルギーレベル
エネルギーの単位に「電子ボルト」という単位があります。
後半のボルトだけに注目すれば非常にわかりやすい単位です。
乾電池一本で1.5ボルト、二本で3ボルトです。
このような低い電圧は日常使うには非常に便利で安全に使えています。
これに電子という言葉をつけて言うと、
1.5電子ボルトや3電子ボルトは便利で安全なエネルギー量です、となります。
食べたものを消化したり、 筋肉を動かして運動したり、
あるいはガスコンロの火が燃えたりといったときに関わるエネルギーは、
原子や分子ひとつぶあたりにすると、
1.5電子ボルトとか3電子ボルトとかいったエネルギー量になります。
目で見える光は光子という粒でできていて、
この光の一粒のエネルギーはだいたい3電子ボルトです。
100電子ボルトは取り扱い注意です。
たとえば、
100電子ボルトの光は紫外線でこれを受けると細胞など壊れてしまいます。
100ボルトを扱うのに注意が必要なのと同じです。
電車は、2万ボルトほどの電圧をコントロールしながら走っています。
病院で撮るレントゲン撮影ではX線が使われますが、これは1万電子ボルトを超えますので、
電車の電気と同じく危険です。
微量のX線を上手に使って診断を行っています。
原子力発電などで扱う核分裂のエネルギーは百万電子ボルトを超えるような大きなものです。
百万ボルトの電気をコントロールするのは難しいのと同様に、
核分裂画分裂をコントロールするのはとても難しいものです。
きのこや蛇の毒は分解可能です。
これらの物質をコントロールするためのエネルギーが乾電池なみの数電子ボルトだからです。
原理力発電所から出る放射性物質に対して解毒剤のようのようなもの、
たとえば、放射性物質に何かを混ぜると放射線が消えるというようなことができればいいのにと思うのですが、
原子一つあたりのエネルギーが百万ボルトレベルのためそのようなコントロールはできません。
宇宙からは一兆電子ボルト以上の粒子が飛んできます。
これは大気でストップされるので、地上の生き物は安全です。
このように、
関わるエネルギーレベルを電子ボルト単位で考えると、
感覚的に現象を理解することができます。
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図1 エネルギーレベル
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/507-fig1.jpg
本文終わり
パワポ
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