そろそろ原稿を書かねばと思った直後に「はやぶさ2」が「リュウグウ」に到着のニュースが飛び込んできました。 これから速報ニュースがぞくぞく登場とおもいますので、 乗り遅れないように、すこし予備知識を仕入れておきましょう。 まず、リュウグウですが、 浦島太郎のお話ではありません。 地球誕生のお話です。 むかし、むかし、いまから四十数億年前の話です、 太陽の周りのガスが冷えるに従って砂塵のようなものがたくさんできました。 それらが合体して、岩くらいのサイズになり、さらに巨大な岩になり、 たくさんの岩が合体してやがて地球の様な惑星に成長しました。 現在でもその時の残骸と思われる小さな惑星の元になった天体「小惑星」が太陽の周りを回っています。 その中の一つがリュウグウです。 リュウグウのサイズは900メートルほどであることがわかりました。 岩の合体は岩の衝突ですから、 発熱が激しく、 惑星成長につれ合体の度に岩はどろどろに溶けることになります。 したがって、 太陽系が誕生当時の小さな岩の様子は地球の岩石から推定することは困難です。 そこで、小惑星に宇宙船で行き、サンプルを採集して地球に持ち帰ろうということになります。 これががはやぶさ計画で、 その探査用の宇宙船がはやぶさ2です。 数字の2ははやぶさ一号機があったことを意味します。 一号機は「イトカワ」という小惑星に行きサンプルを採集して地球に戻ってきましたが、 採集は不完全で、とてもわずかしかサンプルを持ち帰れませんでした。 今回はたっぷり持ち帰る予定です。 目的の小惑星リュウグウは到達するための難易度はイトカワよりも高いですが、 C型とよばれる小惑星で、 炭素や水をたくさん含んでいることが予想されています。 地球が形成される以前にどのような有機物そして生命の起源物質があったかわかると面白いですね。 図1は到着したリュウグウの映像です。 画像の上下が北極と南極で極をつなぐ軸の周りを約7.6時間で自転しています。 はやぶさ2のリュウグウ到着は6月27日の9時35分で、 リュウグウとの距離20kmを維持して同じ公転軌道に入りました。 今後、着陸してタッチダウンをしてサンプルを取ったり、 ローバを下ろしたりと調査が来年末まで続けられ、 その後、帰還します。 形がどちらかというと四角ですね。 重力は中心に向かって働きます。 ということはリュウグウのほとんどの場所は斜面ということになります。 さて、どこに降りるのがいいのでしょう。
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図1 小惑星「リュウグウ」の姿(提供:JAXA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/525-fig1.jpg
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パワポ http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/525-fig.pptx http://www.jaxa.jp/press/2018/06/20180627_hayabusa2_j.html JAXAは平成30(2018)年6月27日の「はやぶさ2」の運用において、「はやぶさ2」の化学推進系スラスタを噴射して軌道制御の運用を行いました(※)。 JAXAは、「はやぶさ2」から取得したデータから、 ・「はやぶさ2」の化学推進系スラスタの噴射が予定通り行われたこと ・「はやぶさ2」と小惑星リュウグウとの距離が約20kmであること ・「はやぶさ2」が小惑星リュウグウとの距離を維持できていること ・「はやぶさ2」の状態が正常であること を確認しました。これにより、「はやぶさ2」が9時35分(日本時間)に小惑星リュウグウに到着したことを確認しました。 今後は小惑星リュウグウの科学観測、試料採取へ向けた調査など探査活動を行う予定です。 references will be note-525 r=0.963 1.415 P=1.3yr http://www.hayabusa2.jaxa.jp http://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/index.html