太陽系近況
火星が最も接近した7月31日、やまがた天文台には150人以上のお客さんがおいでになり、
木星、土星、そして、遅くなって昇ってきた火星を見ることができました。
火星は8月、9月になるとはやく昇ってくるので、
見やすい時間になります。
また、天文台にお越しください。
望遠鏡をのぞいてみると、前回2003年の大接近の時には綺麗に見えていた極冠(極にある氷)も今年はよく見えません。
図1は、火星を探検中のNASAのキュリオシティが送ってきた最近の画像ですが、
すごい砂嵐になっています。
砂が巻き上がり火星全体を覆ってしまっているようです。
それで、極冠など火星表面の地形が見えにくくなっています。
地球もこのところ異常気象でないかと思われる状況ですが、
火星もどうもよくない気象のようです。
一方、土星は綺麗に見えていますので、天文台の人気は土星です。
土星の衛星のタイタンの表面の画像が図2です。
ホイヘンスという探査機がタイタンに着陸しています。
湖があり川が流れているのがわかるでしょうか。
この湖を満たしている液体は残念ながら水ではありません。
メタンとエタンです。
わかりやすい例で言うと、みなさんお使いのカセットコンロですが、
そこで使うボンベを振ると中でチャプチャプと音がして液体が入っていることがわかると思います。
あの液体で湖が満たされていると考えるとわかりやすいですね。
水でないと、と思われた方は土星の衛星エンケラドスを見てみましょう(図3)。
地球の岩石の部分が氷です。
すると火山の溶岩に当たるのが水ということになります。
エンケラドスの地下には水がたまっていて火山のように水が吹き上がっています。
太陽系の名所見物をしたくなりますね。
何年か後にはこのような風景を見る旅行パックが出るのでしょうか。
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図1 キュリオシティによる最近の火星(提供NASA)
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図2 土星の衛星のタイタンの表面(提供NASA)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/530-fig2.jpg
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図3 土星の衛星エンケラドスの水火山(提供NASA)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/530-fig3.jpg
本文終わり
パワポ
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references will be note-530