わし座の秘密
8時ころ真南の空高く七夕の星の彦星が見えています。
それより低い位置に火星と土星があって、その上に見ていてます。
西洋の呼び方では、わし座のアルタイルです。
子供のころから疑問なのですが、このわし座の形はどう見ても鷲に見えないのです。
はくちょう座はちゃんと白鳥の姿に見ます。
例えば、図1のように描かれています。
ところが、
本によって鷲の絵も星座線も異なるのです。
これは何か事情がありそうです。
紀元前500年ころのメソポタミアの粘土板にも、
紀元2世紀のプトレマイオスの48星座にも、わし座があるので、
とても古くからある星座だとわかります。
ファイノメナというギリシャの詩の中に、わし座を「形は小さいが、、、」
という表現があるそうで、どうも今のわし座のイメージと異なります。
そこで、1603年のバイエルの星図(図2)を見てみましょう。
図1のa、b、cの星と同じ星が図2にあります。
この三つの星を中心とした部分がわし座で、
その下には別の星座であるアンティノウス座が描かれています。
アルタイル(彦星)と周りの二つの星を合わせて鷲の飛ぶ姿に見立てたのがわし座の起源のようです。
確かに小さい鷲です。
その後、鷲の下にあったアンティノウス座が使われなくなり、
図1の赤い太線で囲った部分をわし座と決められました。
おそらく、この囲った領域をわし座にしてしまったためにむりやり鷲の形を描かなければならなくなったのでしょう。
結果的に、どうもしっくりこない鷲の姿がいろいろ試されいろいろな図が使われているようです。
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図1 わし座(Stelariumを用いて作図)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/534-fig1.jpg
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図2 バイエルの星座図のわし座とアンティノウス座(提供:リンダ・ホール図書館)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/534-fig2.jpg
本文終わり
パワポ
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references will be note-534
星図
Flamsteed John, 1804
Linda Hall Library
Bayer, Johann, 1572-1625.
Linda Hall Library