またも平凡原理
地球のような惑星があることは奇跡のような珍しいことという考えもありますが、
一方で、どこでも起こるような平凡なことという考えもあります。
物理法則に従って、宇宙で星が誕生し、ごく当たり前のように惑星ができ、その何割かは地球のようであり、
生命も自然に誕生するという考えです。
平凡原理と呼びます。
私は平凡原理が大好きです。

天文学の発展に従って、夜空の星たちのほとんどに惑星があることがほぼ確実になってきました。
しかも太陽系のように複数の惑星があるのも珍しくありません。

地球の周りには、月が回っていいます。衛星と呼びます。
平凡原理によれば、夜空を彩る星たちの周りに惑星が回り、
そしてその惑星たちの周りにきっと衛星が回っているでしょう。

このことを示す観測の第一号が登場しました。
コロンビア大学のティーチーさんとキッピングさんによる研究で、
専門誌サイエンスアドバンスに今月3日発表されました。

星の名前はケプラー1625と言い、はくちょう座にある星です。
この星の質量は太陽より4%小さいだけ、半径も6%小さいだけで、ほとんど太陽と同じような星です。
表面温度も約6000千度でこれも太陽とほとんど同じ。
この星を回る惑星はちょっと大きくて木星の数倍の重さがあると思われています。
惑星と中心星との距離は太陽と地球の間の距離にほぼ等しく、温暖な気候の予感がします。
公転周期つまりこの惑星に人が住んだとした時の一年は283日で、これも地球と似ていますね。

新しい研究で、この惑星の周りを海王星くらいの大きさの衛星が回っていることが明らかになりました。
惑星とこの衛星の大きさの比はちょうど地球に対する月と同じくらいになります。

ようやく一つの例が見つかったわけですが、望遠鏡の性能が上がれば、きっと、
夜空の星の全部に惑星があり、その幾つかには衛星が回っていることがわかってくるのでしょう。

私たち人類と同じような人たちが宇宙のどこかにいるような気がしませんか。



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図1 ケプラー1625とその惑星と衛星の想像図(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/539-fig1.jpg
本文終わり
根拠データ references Teachey and Kipping, Sci. Adv. 2018;4:eaav1784 3 October 2018 see 539-ref-1.pdf press release: http://hubblesite.org/news_release/news/2018-45 data http://www.openexoplanetcatalogue.com/planet/Kepler-1625%20b/