時間の長さ
お正月にはこの一年どんなことをしようかな、といろいろ夢を描きます。
しかし、
一つのことを成し遂げるのに何年もかかる場合もあり、
一年でできるようなこととはまだちっぽけなことかもしれません。
宇宙ではどのくらいの時間をかけて一巡りが起こるのでしょう。
一年とは地球が太陽の周りを回るのにかかる時間のことです。
地球より外側を回っている惑星のひとつに木星があります(図1)。
木星が太陽の周りを一巡するのは約12年です。
ちょうと干支が一回りすると木星も太陽の周りを一回まわっています。
それで、古くは木星のことを歳星と呼んでいました。
もっとも外側を回っている海王星の一周は約165年で、人間の一生かかっても一巡しません。
とてもゆったりとしていますね。
星座の星々は北極星のあたりを中心にして1日一回ぐるりと回ります。
これは地球が自転しているためです。
この自転の中心は実はゆっくりと移動しています。
今は、北極星のあたりを中心に回っていますが、
人類が古代文明を築いたころはりゅう座のあたりが中心でした。
このような地球の自転軸の動きを歳差運動といって、図2の黄色い円周上を移動します。
ちょうどコマの回転軸が首振り運動するのと同じ原理です。
この周期が約2万6千年ほどで、これくらい長い時間があればと石器時代と現代くらいの変化が生じます。
太陽系は銀河系の中で回転運動しています(図3)。
その速さは毎秒220kmくらいで、1秒もかからないで山形県をまたいでしまう速さです。
こんなに早くても図3の軌道を一巡りするには2億年ほどもかかります。
こんなに時間をかけていられません。
みなさんはどれくらいの長さの計画を立てましたか。
1年計画でしょうか、それとも10年計画でしょうか。
きっと大きな夢でしょう。
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図1 木星と海王星の惑星の公転周期
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図2 地球の歳差運動の周期
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図3 銀河系の回転運動の周期
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/551-fig3.jpg
本文終わり
パワポ
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references will be note-551