東京都美術館で開かれているムンク展に立ち寄ったのですが、
入り口のディスプレイに星空の絵が表示されていました(図1)。
ムンクは生と死、不安や愛や嫉妬といった人間の本質的な部分を描こうとした画家なのだそうですが、
晩年には人よりも自然を描くことが多くなるそうです。
そして星空もテーマの一つです。

いろいろ思索をすすめると、
どどのつまりは、
自然そしてその中でも特に全体を抱擁している星空や宇宙が人間の悩みへの答えを与えてくれるのではないか
と思います。
なので普段から夜空を見るようにするときっと何かいいことあります。

漆黒の背景のなかに星があるのでどれくらい星がよく見えるかは、背景の暗さがキーになります。
極端な場合、背景が太陽の散乱光であれば、これは青空で全く星は見えません。
太陽がいなくなって太陽の散乱光がなくなる夜には星が見えるのですが、
街の光の散乱光があると背景は真っ暗ではありません。

星座を作る星々までの距離はたかだか数千光年程度です。
つまり、光で行って数千年かかる距離です。
しかし、街の光がなくて背景が本当に暗ければ、肉眼でも銀河が見えます。
アンドロメダ銀河が有名ですが図2はさんかく座銀河で、これも背景が真っ暗になれば肉眼でも見えます。
するとなんと300万光年の距離まで見えることになります。
いかに、人口の光がないことが重要かということがわかっていただけますでしょうか。
肉眼は苦手というかたもおいでと思いますので、
真っ暗な空と双眼鏡が最高の組み合わせだと思います。

私たちの住んでいる銀河系とアンドロメダ銀河、さんかく座銀河はご近所さんです。
この三つをふくめて50個ほどの銀河はグループを作っていて重力の絆で結ばれています。
宇宙は膨張しているので銀河は互いにバラバラになろうとするのですが、
この50個ほどの銀河のグループは重力で結ばれていて決してバラバラになることはないのです。





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図1 ムンク展の入り口のディスプレイの映像。ムンクの星月夜と題する絵からとったもの。(撮影:著者) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/552-fig1.jpg
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図2 さんかく座銀河(M33)(提供:NASA) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/552-fig2.jpg
本文終わり
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