大空で、ものがたり
7時過ぎ、暗くなったら、春の星座を楽しみましょう。
北東の高いところに北斗七星が綺麗に見えています。
図1をご覧ください。
1から7までの7つの星が黄色い線で結んであり、ひしゃくの形をしています。
若い人にはひしゃくというよりフライパンの形といったほうがわかりやすいかもしれません。
星座ではおおぐま座になります。
クマの形は水色の星座線で示しています。

5番、6番、7番の星はクマの尻尾とみる見方もありますが、
インデアン(アメリカ)に伝わるお話では、これら三つはクマを追いかける、
コマドリ、シジュウカラ、シカドリということになっていて、
鳥がクマを追いかけるという場面設定です。

話は壮大で、クマは緑の点線で示したように北極星(Pの星)を中心に回ることを利用します。
地面の下の冬眠から目覚めたクマは春になって図1のように登って来ます。
そして、ぐるっと大きな円を描いて秋になると図2のような位置にきます。
クマが無事穴に戻って冬眠に入れるか、それとも、
追いかけてきた鳥たちに突かれて倒れることになるかがハラハラドキドキの物語です。
コマドリの胸の赤い羽はクマの血で、この戦いの痕跡だそうです。

鳥はこの三羽だけではありません。
図1のピンクの曲線は「春の大曲線」と呼ばれますが、
この大きな曲線の周りのオレンジで囲った星々もお話の中ではクマを追いかけています。

Aの星の名はギリシャ語が起源で、アルクトゥルスといいますが、
これはクマの番人という意味です。
ギリシャ神話ではうしかい座の星々はクマを追う男の姿として捉えているそうです。

春の大曲線の上の残りの星、Bはおとめ座スピカ、Cはからす座の4つの星です。

秋まで大きな星々の動きをどうぞお楽しみください。


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図1 今晩午後7時30分ごろの北東の夜空(ステラリウムの画像を元に作図)。 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/565-fig1.jpg
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図2 11月ごろの日没後の夜空 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/565-fig2.jpg
本文終わり
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