ブラックホールを見た?
4月10日に「ブラックホールの撮影に成功、世界初」
という記者発表がありニュースなどでご覧になった方も多いのでないかと思います。
非常に重力が強く、周りの物質を何でも吸い込んでしまう、
怪物のような天体として知られています。
光までも曲げられ吸い込んでしまうので黒く見えるはずということでその名前がついています。
その見えないものをどのようにして撮影したのでしょう。
真っ暗な宇宙空間にブラックホールがあれば、図1の左のように、やみ夜のカラスの状態で何も見ることができません。
なにか光を発するものをそばに置くことによって初めて何があるか見えます。
光を発するものをそばに置いて照らしてあげると、
図1の右用のように物体があるのが見えて来ます。
ブラックホールを撮影するためには周りに光源をおいて明るく照らしてあげなければならないのです。
その光源の役割を果たすのがブラックホールに吸い込まれるガスです。
ブラックホールの吸い込み口は意外と小さく、
吸い込まれる物質は押し合いへし合いもみくちゃにされながら吸い込まれていきます。
その時の摩擦熱で吸い込まれるガスは高温になり光を発します。
これが光源です。
このガスはブラックホールの周りを回りながら降着円盤(こうちゃくえんばん)とよばれる円盤を作ります。
降着円盤の物質はある半径より内側では回転できずブラックホールに吸い込まれます。
この半径より内側では降着円盤がなくなり発光しません。
もう一つ重要なことは、降着円盤から出た光は強い重力で曲がることです。
図2で、Aから出た光は手前の私たちに見えますが、Bから出た光はブラックホールに吸い込まれます。
Cから出た光の一部は私たちいる手前には来ないで図のように大きく曲げられたり、ブラックホールに吸い込まれたりで
私たちたちのところには来ません。
Dから出た光は私たちの方へは直進すれば来ないのですが、図のように大きく曲げられ、
私たちのところにやって来ます。
結局、ブラックホールの方向から来る光は弱く、周辺から来る光が強め合うことになります。
こうしてブラックホールの影とよばれる明るい部分に囲まれた暗い部分が生まれます。
この様子が捕らえられ、今回の発表となったわけです(図3)。
今後は、
ブラックホールの映像を精密化し、理論計算と合わせて、
吸い込まれるガスの運動やブラックホールの回転などの
これまでにできなかった観測が可能になります。
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図1 真っ暗の中では何も見えない(左)、しかし、光で照らすとポットが見えて来る。
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/567-fig1.jpg
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図2 ブラックホールの周りと光の経路
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/567-fig2.jpg
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図3 撮影されたブラックホールの映像(提供:Event Horizen Telescope Collaboration)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/567-fig3.jpg
本文終わり
パワポ
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references will be note-567
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