秋の四辺形

春分の日を終わっていよいよ秋本番です。
星空はどうなっているでしょうか。
陽が沈み真っ暗くなった7時ころ、
明るいく目立つ星が真西に沈みかけています。
これは春の代表的な一等星「アルクトゥールス」です。
えっ、春の星がとお思いになるかと思いますが本当です。
真上には夏の大三角とよばれる明るい三つの星、「ベガ(織女星)」、
「アルタイル(牽牛星)」そして、はくちょう座の「デネブ」が見えています。
そして秋の星座は東の空に昇って来ています。
そうです、空全体を見渡すとほぼ半年分の星座が見えます。
春の星座が西に沈み、夏の星座が真上を通り過ぎて西に向かっており、
東に秋の星座が昇って来ているのです。
そのように季節はゆっくりと変化して行きます。

東の空、やや高い位置にきれいな四角形を見つけてみましょう(図1)。
これを秋の四辺形と呼んでいます。非常に目立つ形なので秋の星座探しの
出発点になる場所です。
秋の四辺形は、「ペガスス座」といって翼を持った天馬(てんま)の姿をした
星座の一部です(図2)。

ペガススにまつわるギリシア神話を紹介しましょう。
コリントの王子ベレロフォンがティリュンス市の王の命令
によって怪物キメラを退治するときのことです。
夢のなかでピレーネの泉にやってきた天馬ペガススを捕まえるように女神から
お告げがあったといいます。ベレロフォンはこの天馬ペガススに乗って戦い、
みごとにキメラ退治に成功しました。
このことに気を良くしたベレロフォンは神々の住むオリンポスに昇ろうとしました。
しかし、大神ゼウスの怒りにふれ、ゼウスは虻を放ちます。
虻に驚いた天馬ペガススはベレロフォンを振りおとしました。
ベレロフォンは死んでしまい、ペガススは天にのぼって星座になったということです。


図1 9月下旬午後7時半頃の東の空
(アストロアーツ社 スレラーナビゲータを用いて作図
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/57-fig1.ppt
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/57-fig1.jpg


図2 天馬ペガスス
(補足の図なので、小さめの大きさで好いと思います。)
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shiata/yamashin/57-fig2.ppt
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