ケフェウス座に注目
秋晴れの日の夜は星空も美しいです。
図1は今晩の午後7時頃の空です。
北を向いて見上げたとして図を書いています。
天頂(真上)と北極星の間に、将棋の駒を思わせる五角形をした星の並びを見つけることができます。
ケフェウス座です。はくちょう座とカシオペヤ座に挟まれた位置にあります。

ケフェウスは古代エチオピア(現在のエチオピアは別の国)の王様で、妃がカシオペヤ、娘がアンドロメダです。
アンドロメダ姫を化けクジラの生贄に捧げるお話はギリシャ神話として知られています。

それはさておき、この辺りは天の川の中なので微光星が多く、
双眼鏡で眺めるのにとても良い場所です。
天体専用のものでなくても、オペラグラスや地上の景色を見るためのもので十分ですから、双眼鏡で観察してみてください。

天文学では、
ケフェウス座デルタ星がとても重要な星です。図1の水色で囲んだ星です。
この星は5日と9時間ほどの周期で明るくなったり暗くなったりする変光星です。
星自身が縮んだり膨らんだりすることが偏光の原因です。
このようなタイプの変光星をセファイド変光星と呼んでいます。
注意深く周りの星を比較したり、写真を撮ると変光を確かめることは難しくありません。

ヘンリエッタ・リービット(図2)は変光星の研究をしましたが、その中でもマゼラン雲にある16個のセファイド変光星を観測して、
星の明るさと周期の関係を見つけたことは大きな功績でした。
この発見によって遠くの銀河にセファイド変光星を見つけて明るさを測定することによって、
その星の見かけの明るさと真の明るさを比べて、その銀河までの距離を推定することができたからです。

この方法によって銀河までの距離がわかり、宇宙が膨張していることに人類が気づくことになりました。

最後に、図1(拡大図)の赤い丸で囲った星はガーネットスターの愛称を持つ星でとても赤い色をしています。こちらにも注目してみてください。


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図1 ケフェウス座 http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/594-fig1.jpg
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図2 ヘンリエッタ・リービット(1868-1921)(提供:https://www.cfa.harvard.edu/news/fe201809) http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/594-fig2.jpg
本文終わり
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