春の彼岸
20日は春分の日です。
この日を中心に一週間が彼岸で、お墓まいりなどされる方も多いと思います。
春分の日は天文学的に定まっています。
この事情を説明したいとおもいますが、何はともあれ、
お彼岸のお休みに少しゆったりとした時間をお過ごしください。
夕日は心を落ち着かせてくれる風景の一つです(図1)。
西方浄土という言葉が示すように極楽浄土は西にあると考えられていて、
その方向を沈む太陽が教えてくれます。
しかし、いつも正確に真西を示してくれているわけではありません。
そこで春分の日が大事になってきます。
空に回転する丸天井があって、そこに星や太陽がくっついていてくるくる回ることをイメージします。
これを天球とよび、回転軸の方向が天の北極と天の南極です(図2)。
地球儀と同じように天の赤道も考えることができます。
天の赤道と地平線が交わったところが西と東です。
これが西と東の定義です。
太陽は天球の上を動くのですが、年に二回だけちょうど天の赤道の上にやってきます。
太陽がぴったりと赤道の上に来る時刻というのがあって、
これこそが春分と秋分です。
今年の春分の場合、それは3月20日12時50分になります。
この瞬間に日食が起きるとどどんな星空になるかを図3に示しました。
天の赤道に確かに太陽がいます。
春分の瞬間を含む3月20日が春分の日になります。
天球の上の太陽の動きは非常にゆっくりとしていますので、
この日は、太陽は天の赤道の上にいると見なせて、
必然的に太陽は真東から昇り、真西に沈むことになります。
正しく極楽浄土の方向を指してくれるというわけです。
20日に晴れましたら、日の出で真東を、日の入りで真西の方向を改めてチェックしてみましょう。
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図1 日の入りは彼岸の方向(山形市 悠創の丘からみた夕日)
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図2 真東と真西の定義 [図はスペースを取らないように小さくてよいです。]
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/611-fig2.jpg
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図3 春分の時の太陽の位置
http://astr-www.kj.yamagata-u.ac.jp/~shibata/yamashin/611-fig3.jpg
本文終わり
パワポ
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references will be note-611