宇宙から地球を見る
日が暮れて西の空をみると三日月よりも少し太った月が見えます(図1)。
月は月日のながれを感じるにはちょうどよい動きをします。
三日月を見ると、
これがだんだん太って半月になり満月になりやがてまた三日月が見えるようになった頃、
私はどうしているだろうと考えてしまいます。
今日と明日があまり変わらなくても、
今度三日月を見る頃にはなにかが変わっているはずです。

谷川俊太郎さんの二十億光年の孤独という詩に、
「人類は小さな球の上で/眠り起きそして働き/どきどき火星に仲間を欲しがったりする」
というところがありますが、
いまや火星人がいないことははっきりしていてこの望みは絶たれています。
しかし、図1で月の背景にある何千という星々のほとんどすべての周りに惑星が回っていることがわかってきました。
そこには知的生命がいて地球の人類を観察しているかもしれません。

今日現在、夜空の星々の周りを回る惑星の数は、確定したものが4151個、候補は5108個もあります。
たくさんの惑星を発見したケプラーという名前の宇宙望遠鏡は具合が悪くなり引退しましたが、
その後継のテス(TESS)という宇宙望遠鏡が探査を続けています。

非常に詳しく調べられた惑星系にトラピスト1というのがあります(図2)。
太陽にあたる中心の星の周りに7つの惑星が確認されています。
どれも地球と似た大きさの岩石惑星で、このうち3つは地球と同じくらいの温度であると考えられます。
大きな望遠鏡を使うと、これらの惑星の大気の厚さや組成を調べることも可能です。
水をたっぷり持つ惑星も確認されました。

「人類は小さな球の上で/ときどき星空の中の惑星に仲間を欲しがったりする」
と書き換えましょう。
そして、逆に、どこかの星の生命体が
地球に仲間を欲しがったりしているのではないでようか。
人類を応援しているかもしれません。






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図1 4月29日 午後7時半頃の西の空 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/617-fig1.jpg
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図2 トラピスト1惑星系(提供:NASA) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/617-fig2.jpg
本文終わり
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