太陽系以外の惑星の光を実際に見ることに成功
秋の南の空は寂しくて、一等星といえば「秋のひとつ星」だけ。
西洋ではこの星を、みなみのうお座のフォーマルハウトとよん
でいます。
このフォーマルハウトには、コロナグラフと言って望遠鏡での
観察の際に星の本体を小さな物体で隠して、星の周りにある淡
い光をとらえるという方法をもちいた観察が適用されました。
その時、大きな発見がありました。なんと、フォーマルハウト
の周りには小さなチリ(おそらく太陽系にもある汚れた氷のよ
うな塊)がいっぱい回っていてリングのように取り巻いていま
した。惑星になりかけたけれどなりきれなかったチリなのでし
ょう。
ポール・カーラス(カリフォルニア大学、バークレイ校)先生
の率いるチームはこのリングの形に注目して、リングのすぐ内
側に木星の3倍程度の惑星がいるのでないかと考えていました。
そこで、ハッブル宇宙望遠鏡を使って、21か月の間に移動す
る天体を探していました。
とうとう予測されたあたりに惑星が発見されたと11月13日
に発表がありました。初めて太陽系以外に惑星が確かにいると
いう画像が得られました。
写真1の中央の点がフォーマルハウトの位置です。中央はフォ
ーマルハウトの光を隠すために暗くなっています。そして、チ
リのボヤーとしたリングが見えています。そして、右下に惑星
が発見されました。2枚の写真を重ねて確かに惑星が移動して
いる様子が見えますね。フォーマルハウトからこの惑星(フォ
ーマルハウトbと呼ばれます)との間の距離は約100天文単
位。つまり、太陽と土星の間の距離の10倍程度の半径でフォ
ーマルハウトの周りをまわっています。
この星に水があるか?生命がいるか?などが今後の注目を集め
るところです。結果が楽しみですね。
図1 フォーマルハウトの周りのチリと発見された惑星
(NASA 提供http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/39/)