織女座
今週は夕方の西の空に月が戻ってきました。あれから一月が経った
のだななどとひと月前を思い出しながら、振り向いて今度は東の空
を見ると、なんと夏の星の女王である織姫星が昇ってきています。
夕焼けも終わって、あたりがすっかり暗くなる午後7時半頃には高
度20度くらいに昇っていますので、山の稜線の上に姿を見せてい
ることでしょう。午後8時から9時になるともっと見やすくなりま
す(図1)。真東から少し北寄りの位置に一番明るく見えている星が
織姫星です。西洋の呼び名は、こと座のベガです。
見つかったら、その周りの星の様子をじっくりと観察してみましょ
う。図2のように、ベガ(A)の周りにBとCの星があって三角形を作っ
ています。この三角が中国の星座で言う織女座で天帝の娘です。こ
の三つの星は、「織女三星」とよばれます。
その東側(下側)に図2でDEFGと台形になっていますが、これが中国
の星座では漸台(ぜんだい)座になります。この辺りは天帝の庭園ら
くしく、池の中に置かれる台のことを漸台というそうです。
西洋名のベガはアラビア語起源で「落ちるワシ」という意味です。
中国と同じく図2のA,B,Cの三つの星を翼を広げたワシでなく、翼を
たたんで降下するワシをイメージして命名したそうです。
地平線近くにはくちょう座やへびつかい座がありますがまだよく見
えないので、目を織女星の上に向けると、比較的明るい二つの星が
目に入ると思います(図1の黄色の円)。このあたりはりゅう座で、
二つの星は竜の目です。街灯にないところでよく見ると竜の全体の
姿が浮かび上がってくるので探してみましょう。
ギリシア神話ではこの竜は勇者ヘルクレスに退治された竜なので、
ヘルクレスの足に押しつぶされるような配置になっています(図1)。
そう思ってみるとまた星座の楽しみも増えますね。
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図1 5月27日午後8時頃の東の空
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/621-fig1.jpg
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図2 こと座付近の拡大図
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本文終わり
パワポ
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