日食を見よう
先週は日食の観察の方法を紹介しました。準備万端でしょうか。

太陽と月の動きをあらためて考えると図1のようになります。本当
は太陽の周りを地球が周り、その周りを月が回っているのですが、
この図では、地球を中心において地球から太陽や月を見たらどう見えるかを描い
ています。図の黄色い円の上を太陽はゆっくりと一年かけて一周
します。この道筋を黄道(こうどう)とよびます。月の通り道は白道(はくどう)といって
図1の白い円で、この上を太陽より10倍以上の早いペースで回
っています。一周は約29.5日です。

黄道上をゆっくり動く太陽を月が何回も追い越すのですが、追い
越す場所が白道と黄道の交わるあたり(図1AとB)ですと、太陽と
月が重なって「日食」が起こります。手前にある月が遠くにある
太陽を隠します。

今回は6月21日にちょうと太陽と月が重なります。次に交わるの
は半年後の12月15日で、図1のBの位置に来た時が次の日食です。
毎年、だいたい二回日食が起こっています。日食はとても珍しい
現象と思っている方が多いと思います。しかし、毎年二回程度日食は起こっています。
ただ、日食の見える場所が限られた小さい場所なので、
人が体験する日食の頻度はとても小さく珍しい現象になってしまいます。

昔から日食の予報は非常に難しいものでした。こんな面白い話があ
ります。寛平九年(西暦897年)九月一日に太政官から日食があると
いう予報がでたそうです。それは大変とあるお坊さんが日食が起こ
らないように祈祷をしたところ、なんと実際には日食がおこらなか
ったそうです。それで、そのお坊さんはたくさんのご褒美をもらっ
たそうです。本当のところは太政官が正しく日食の予報ができなか
っただけだということは皆さんお分かりと思います。

6月21日の日食の予報は図2のようになっています。16時11分す
ぎから欠け始め、17時7分頃、最高に欠けます(食分0.4)、食の終
わりは17時58分頃になります。

では、あとは晴れるように祈りましょう。
(日食がおきないように祈っても無駄ですよ(笑)。)






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図1 地球から見た太陽と月の動き (下の部分はトリミングしてください。) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/624-fig1.jpg
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図2 6月21日の日食の予報 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/624-fig2.jpg
本文終わり
参考 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/624-fig3.jpg パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/624-fig.pptx