ハービック・ハロー天体

図1は、ハービック・ハロー24という天体の写真です。
怪しげな黒雲と光のビーム。
人気のSF映画スター・ウォーズに出てきそうな場面ではないでしょうか。

画面の差し渡しは、私たち太陽系とちょうど同じくらいです。
距離にすると約6兆キロメートルですから、
SF映画に出てくる光速近くで飛べるロケットなら一年以内に到達できる距離です。
銀河系の規模からするととても小さい範囲ですね。

中央に黒雲があり、雲の向こう側に明るい星が隠されているのがわかると思います。
夕焼け雲の向こう側にまだ沈まない太陽が隠されている景色と似ていますね。
スター・ウォーズのライトセイバーのような光の筋が
雲に隠されている星から放射されているように見えます。
左上からも何者かが出している光の筋が見えています。
不気味でありながら壮観な宇宙の景色です。

実は、
雲に隠されているのは誕生間近な星です。
星は一部のガスを吸い込んで成長していきますが、
残りのガスが二方向に分かれて細長いジェット流をつくります。
それが二つの光のビームとして見えています。
誕生前の星の胎動のようなものと考えられます。
このような天体をハービック・ハロー天体と呼んでいます。

この天体までの距離は1350光年です。
私たち太陽系のまわりにはこのような天体がとてもたくさんあることが最近の高性能の望遠鏡でわかってきました。

図1 ハッブル宇宙望遠鏡で撮られたハービック・ハロー24 (提供:NASA) 
(今回は一枚で、大きな画像ですと壮観さがわかっていただけると思います。)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/640-fig1.jpg

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