秋の四辺形と人工衛星
秋の星座探しの起点は秋の四辺形です。
今年はとても明るい火星が案内してくれるので簡単に見つけられるでしょう。
日が沈んでしばらくして、東の空を見ると、図1のように火星が昇ってきています。
火星から天頂(頭上)に向かって視線を動かすと、中程に4つの星が作る大きな長方形が見つかると思います。
これが秋の四辺形です。
星が4つあれば、どれでも四辺形と呼べるわけですが特に秋の四辺形は有名です。
なぜこの4つの星が目立つのでしょう。
よく見ると、4つの星が作る四角形の中にほとんど星がないことに気がつきます。
これがこの四角形が目立つ原因と思われます。
日本でも、桝形星(ますがたほし)や四隅星(よつまぼし)という言い方があったそうです。
星座としては、天馬の姿、ベガスス座、です。
図2のように、頭や前足があって、街灯のない暗い空ですとみごとに馬の上半身が浮かび上がります。
古代の人々は想像上の動物をいろいろ考えてきましたが、
翼を持って天空を駆ける馬というのは実に雄大でみごとな発想だとおもいませんか。
中国にも翼を持って駆ける馬として麒麟があって、
同じ発想です。
このように古代から星空は人間の豊かな発想をたくさん与えてくれました。
現代の私たちも星空を見上げて癒されます。
ちょっと気になるのが図1です。
これはプラネタリウムソフトで今晩の夜空を再現したものですが、
オレンジ色の丸で囲んだものは実は星ではなく人工衛星でした。
このように、
夕方星空観察をしていると頻繁に人工衛星をみることができます。
民間の人工衛星を利用したビジネスが動き出しています。
そこでは、
星座を作る星よりも多い数の人工衛星が打ち上げられます。
夜空を見ても、
宇宙という大自然を感じられない世の中になるのは困ったなと思っています。
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図1 今晩午後6時半ころの夜空(ステラリウムを用いて作成)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/642-fig1.jpg
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図2 ペガスス座(フラムスチード天球図より:Linda Hall Library提供)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/642-fig2.jpg
本文終わり
パワポ
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references will be note-642
星図は10月21日18時24分34秒