銀河系の果てを特定
天の川としてみえているたくさんの星の渦の中に私たちはいます。
この2千億もの星の渦は図1のように描かれ銀河系と呼ばれます。
銀河系の中心には巨大なブラックホールがあり、
太陽系はそこから約2万6千光年離れた位置にいます。
私たちが星座としてみている星たちは図の黄色い点線の中にほぼ入ります。
図2は銀河系の渦巻く星やガスの回転速度を調べたものです。
太陽は毎秒200キロメートルの速さで回転していることがわかりますが、
銀河中心から6万光年も離れたあたりでもほぼ同じ毎秒200キロメートルで回転しています。
銀河系の外縁で星の数が減ってくると、重力もすくなり、回転速度は減るはずですが、
減速する気配が見えません。
図2の回転速度の意味するものは、
銀河の星の分布は6万光年を超えてさらに外側に続いていることです。
一体どこまで銀河系は続いているのでしょう。
銀河系の果てはどこなのでしょう。
最近、東北大学の千葉柾司さんのグループがこの疑問にたいする答えを見つけました。
ハワイのすばる望遠鏡に搭載した超広視野主焦点カメラ(図3ふろく掲載しない)を用いて、
遠くにあっても観測可能な明るい星(青色水平分枝星)を丁寧に数え上げ
(見つけるのが大変な仕事になりますが)
その分布を調べました。
これらの星は真の明るさがほぼ決まっているので、
見つけられれば真の明るさと見かけの明るさの比較で
星までの距離がわかるのです。
そして、とうとう銀河系の星が途切れるのが、
銀河系中心から約52万光年であることを発見しました。
銀河系中心から太陽系までの距離の約20倍のところです。
図1の下の図に示すように、従来の想像よりずっと遠くに銀河系の果てがあったのです。
さらにその外に広大な宇宙が広がっています。
そんなところまで旅をしたくなりますね。
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図1 銀河系の想像図
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/644-fig1.jpg
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図2 銀河の回転速度(提供:国立天文台; VERAプロジェクト)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/644-fig2.jpg
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図3 参考: すばる望遠鏡超広視野主焦点カメラ(提供:国立天文台)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/644-fig3.jpg
本文終わり
パワポ
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/644-fig.pptx
references will be
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/644-ref1.pdf