ふたご座流星群をみよう
流れ星。夜空に突然現れ、すっと消える一筋の光は理屈抜きに感動的です。
その正体は、砂つぶのような小さな宇宙のチリが地球に降り込み、
大気と激しく衝突して発光するものです。
流れ星が特にたくさん見られる特別な日が年に何回かあります。
流星群と呼ばれ、その一つが12月14日の夜です。
どうして特定の日に流れ星が多く見られるのでしょう。
図1には太陽を回る地球の公転軌道が描かれています。
流れ星の母天体である彗星や小惑星も太陽の周りを公転しています。
母天体が太陽に近づいたとき氷成分が気体になって噴出しますが、
同時に固体のチリも巻き散らかされます。
母天体から出てくるチリはちょっと図2の飛行機雲のようでもありますが、
チリの動きは飛行機雲とはちょっと異なります。
飛行機雲は空中に漂ってる感じですが、母天体から出たチリは、
たとえ1ミリの砂つぶであっても地球と同じように太陽からの引力を受けて、
太陽の周りを公転しています。
母天体の前方や後方に飛び出たチリは、母天体の前方にも後方にもひろがり、
同じ楕円軌道を描いています(図1)。
地球の軌道とチリの軌道が広い宇宙空間で偶然交わった時、
チリが地球にぶつかって流星群になります。
軌道の交わる位置は決まっているので、地球がそこを通る決まった日付で流星群になります。
チリの速度と地球の速度を合成すると、
赤い矢印のように地球から見てチリが地球に突入する方向がわかります。
12月14日の流星群は、この方向がちょうどふたご座のある方向なので、
ふたご座流星群と呼ばれます。
母天体はフェートンとよばれる小惑星です。
ふたご座流星群は数も多く、今年は月明かりの邪魔もないので、
ぜひ観察してみましょう。
午後の9時頃から見え始め深夜2時頃ピークを迎えるでしょう。
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図1 地球と流星群のチリの軌道
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/649-fig1.jpg
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図2 母天体とチリの軌道
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/649-fig2.jpg
本文終わり
(補足:地球軌道とうまく交わるチリの軌道も複数あり、比較的有名な流星群は10ほどです。)
パワポ
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/649-fig.pptx
references will be note-649