今年最後の大天文ショー(木星と土星の大接近)

今年最後の天文ショーとでも言える木星と土星の大接近が12月22日にあります(図1上)。
これを逃すと次回は2040年になってしまいますので、お見逃しなく。
22日が悪天候でも、
惑星の動きは遅いので数日前後しても大丈夫です。
月も接近している12月17日の方が賑やかで良いかもしれません(図1下)。

時刻は午後5時頃がお勧めです。
南西の空、低い位置に明るい星を見つけたら、
それは木星とそれに寄り添う土星です。
0.1度しか離れていないので、視力検査になるほどですのでよくみてください。
双眼鏡をお持ちの方は、双眼鏡で見ると楽に見えます。
前回と次回の接近のときは距離は1度くらいですので今回はとても接近しています。

木星も土星も太陽の周りを回っていますが、
公転周期はそれぞれ 11.86年と29.45年で、
結果として木星と土星が互いに接近するのは約20年ごとになります。

20年ごとに起こりますから、歴史書にも記述が残っています。
鎌倉時代の吾妻鏡には、
あまりにも接近したので天変地異が起こらないようにと
祈祷などをして慌てた様子がえがかれているそうです。
軌道計算によれば、この時は0.03度まで近づいています。

近いくにみえるといっても重なって見えるだけです。
奥行きを考えると図2のように、木星と土星は約8億キロも離れています。
恐れて祈祷をしたりする必要はないですね。
無駄な恐怖心を抱かないために科学は役立っているようです。
現代においても科学的な知識にはしっかり目を向けるようにすることが大事です。






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図1 木星・土星の大接近の様子 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/650-fig1.jpg
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図2 奥行きを考えた地球、月、木星、土星、太陽の位置関係 http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/650-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/650-fig.pptx references will be note-650 http://tm-amateur-astronome.la.coocan.jp/tm_documents/J-S-Conjunction/J-S-Grate-conjunction.html 三品利郎さん 2020年12月22日 6分 18h3m24.8s 20h11m31.1 20h11m15.4s 2h8m22.9s 今年 2040年10月31日 1度8分 14h13m42.5s 13h7m33.6s 13h9m24.8s 1h16m8.9s 20年後