星の数

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先日、「星の数はどれほどありますか」と問われて、困ってしまった。
よくわからなからです。
といっても、少しはわかるのですが。

夜空を見上げて、最も明るいレベルの一等星は21個ほどあります。
暗い星を含めていくと星の数はどんどん増えていきます。
4等星までだとおよそ千個ほどです。
星座を作るためにはこれで十分です。

完全に晴れた夜空を見上げて見える星は3千ほどです。
意外と少ないですね。

しかし、目で見えないところにも星があるはずです。
これを含めるとどうなるでしょう。

天の川は雲のように見えますが望遠鏡で見ると非常に暗い星の集まりです。
これは銀河系という巨大な星の集団の一部を見てみるものです。
銀河系の中に私たち太陽系があります。
この私たちの銀河系がどんなものかはお見せできなのですが、
幸い宇宙にはたくさんの銀河があるので似た銀河の写真は撮れます。
自分の姿は見られないけど他人の姿は見えるというのと同じです。
図1がその一例です。一つの銀河には数千億個の星が含まれています。
私たちが夜空に見る星は数千個ですから、
銀河系全体の一億分の一くらいの星が見えていることになります。

宇宙にある星の数は、
一つの銀河に含まれる星の数と宇宙に存在する銀河の数をかければ求まります。

図2がハッブル宇宙望遠鏡の映像ですが、
ここに写っているたくさんの明るい光の塊や点が銀河です。
黄色い枠を作りましたが、黄色い枠の中におよそ百個の銀河を確認することができます。
この黄色い四角は、0.5分角で、
視力検査の表でちょうど視力2.0 で見えるCの文字の小さな隙間のサイズです。
この四角が6億あれば空全体を覆うことができますので、
100かける6億で、銀河は600億個くらいあることになります。

しかし、もっと時間をかけて写真を撮ればもっとたくさんの銀河が写るでしょう。
しかもこうやって地球から見ることのできる空間は宇宙全体ではなくて、宇宙の一部分です。
見えない向こうの空間がどれくらい広がっているかは誰も調べることができません。
こうして、宇宙にある星の数は何個かという問いには答えられないことになってしまいます。

現在、ほとんど全ての星には惑星が回っていると考えられています。
惑星の上で生命が誕生する確率がたとえ何千億分の一でも、
宇宙には大量の星があるので、地球以外に生命を育む星が大量に存在することも
この数の計算から想像できます。
宇宙人と会ってみたいですね。




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図1 銀河の一例(NGC 1300) (提供:NASA) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/674-fig1.jpg
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図2 ハッブル超深宇宙(提供:NASA) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/674-fig2.jpg
本文終わり
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