電波を出すマグネターとは
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天文学には「ゴキブリの法則」というのがあります。
一匹見つけたら、必ずうじゃうじゃたくさん居るのがゴキブリですよね。
もし、変わった新種の天体を見つけたら、それは宇宙にはたくさん居るものです。
ブラックホールも最初に一つ見つかったとき、
宇宙にはブラックホールは、もう、うじゃいじゃたくさんいると天文学者は直感しました。
実際にそうでした。
マグネターという不思議な星が見つかりました。
正体は磁石の星。
例えば図1の中央のピンク色に見える天体はSwiftJ1818.0-1607という名前のマグネターです。
文具として強力な磁石が売られていますが、それは約千ガウスという強度です。
ガウスは磁場の強さの単位です。
この星は一兆ガウスからその一万倍くらいの磁場を持っていて、磁場の力で輝いています。
ゴキブリの法則とはいうものの、10年あまり探していますが、まだ25個しか見つかっていません。
磁場の力で光るときは主にX線を出して光ります。
最近非常に気になっているのは、電波を出すマグネターです。
最初のころ発見されたマグネターは電波が出さないものだったのですが、
最近は電波を出すマグネターもぞくぞく見つかってきました。
電波を出すマグネターと出さないマグネターはどこが違うのでしょう。
磁場強度との関係があるでしょうか。
マグネターは自転していますので、
自転周期が関係しているかもしれません。
そこで、横軸に磁場の強さ、縦軸に自転周期をとり、現在までに知られている25個のマグネターを描いてみました。
そして、電波を出すものには赤い丸で、出さないものには青い丸で示して区別してみました。
磁場強度が強いから、あるいは、弱いから電波が出るというわけでもないし、
自転周期が特に早いから遅いからという理由で電波の出る出ないが決まっているわけでもなさそうです。
電波を出すマグネたーとそうでないマグネターの原因はこのグラフからはわかりませんでした。
いつか解明したらこの紙面でも紹介したいと思います。
ゴキブリの法則に従うと、ここに人類がいるということは、
同じくらいの知的生命体は宇宙にゴロゴロしているのでしょうね。
あまり、自分自身をゴキブリとはみなしたくないですが。
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図1 マグネターの例(提供:NASA)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/676-fig1.jpg
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図2 電波を出すマグネター(赤)と出さないマグネター(青)
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/676-fig2.jpg
本文終わり
パワポ
http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/676-fig.pptx
references will be note-676