天文学者が食べていくには

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今日の夕方は三日月に金星が綺麗に見えますので是非ごらんください(図1)。

突然ですが、このような予言や星占いをしながら食べていくのが
天文学者の本来の姿かもしれないと思いました。

過去の有名な天文学者はどうやって生計を立ててきたのでしょう。
貴族や王様がパトロンになってくれる場合は生きていけそうです。
生まれた家が富豪だったり王族だったり権力のある教会などの場合も生きていけそうです。
しかし、これよりもっと多いケースは、まずは生きていくための仕事をこなし、
その合間に科学研究をするというパターンでした。

コペルニクスというポーランドの天文学者をご存知でしょうか。
地動説を唱えたことで有名ですね。
コペルニクスの生まれた家は裕福でしたが、父親が早くなくなると、
母方の家に引き取ららました。
そこは教会の権力者であったので、聖職者となるべく教育を受けました。
10年あまりイタリアに行き、数学、天文学、法律学、医学の最先端を学びます。
この時勉強したことが天文学への興味につながったのでしょう。
そして故郷に帰ると聖職者としての職に就きます。

仕事のイメージは教会の牧師さんというよりは、
管轄するエルムランドという一つの県サイズの小国の行政・法律・会計全般ですので、
現代風にいうとおそらく県知事のようなものでしょう。
この仕事をこなしてその合間に興味のある天文学の研究をしていたということです。
途中戦争もあったので仲裁したり、条約締結に関与したり、
新しい通貨政策を提案したりと政治家としての活躍も目立ちます。

生きていくための実務をこなしながら、片手間に天文学をやっていたことになります。
私も頑張らないといけないなと思ってしまいました。

最後にコペルニクス的転回とよばれる地動説から天動説への見方の変化を図2にまとめたので、
この機会に勉強してみませんか。

右側は太陽中心で地球と惑星が回っている図です。
地球の位置ベクトルEと地球から見た惑星の位置ベクトルXの和が惑星の太陽からみた位置ベクトルPになります。
これを味方を変えて地球を中心に置きます(古代から信じらてきたやりかた)。
地球から見て仮想的な赤い点があり、その周りを惑星が回っていると見ます。
図と式をよく見比べると、この二つは同等であることがわかります。
左から右へ見方を変えるのがコペルニクス的な転回というわけです。




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図1 8月11日午後7時から7時30の間に観察しましょう。(Stellariumを用いて作図) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/682-fig1.jpg
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図2 天動説、地動説の見方の違い http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/682-fig2.jpg
本文終わり
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