正義の女神アストライア

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おとめ座は正義の女神アストライアが星座になったものであると、
そのいきさつをギリシャ神話はこう語ります。

大昔「黄金の時代」と呼ばれる良い時代がありました。
人間の心は正しく皆幸福でした。
地上は花でおおわれ、人は働く必要がありませんでした。
たくさんの食べ物が森にいっぱいありましたし、
川にはミルクや神の飲み物ネクタールが流れていました。
この頃の人間は男のみでした。

ティタン神族のプロメテウスは人間に味方しようと思い、
人間は美味しい肉と内臓を取ればよく、
神には脂肪と骨を捧げることを教えました。
神の世界から火を盗み出し人間に与えました。
大神ゼウスはプロメテウス、そして人間を戒めることにしました。

大神ゼウスは土と水から女神のように美しい外観をした乙女を作らせ、
その内部には犬の心と盗人の本性を埋め込みました。
そして、この乙女を「全ての神からの贈り物(パンドラ)」として
プロメテウスの弟のエピメテウスに送りました。

エピメテウスはパンドラの美しさに魅惑され、
神からの贈り物は絶対に受け取ってはいけないという兄の言いつけを忘れて、
パンドラを受け入れます。

そしてパンドラは開けてはならなとされていた甕(あるいは箱)を
開けてしまいます。
すると中からありとあらゆる災い、苦労、
疾病のもとになる不気味な生き物がはいだし、パンドラを襲います(図1)。
そして、その生き物は人間全体に広がってしまいました。
それ以来、人間は互いに思いやりを失い、争うようになりました。

他の神が人間を見限って天上に去っていく中、
正義の女神アストライアはなんとか人間の心を正しくしようと頑張ります。
しかし、 人間は悪くなるばかりで、
とうとう、アストライアも諦めて天上の神の世界にもどり、
星になってしまいました。

さらに、鉄の時代になると、
人間は鉄を使ってより強力な武器を作り戦争をするようになり、
災い・疫病が絶えない時代になりました。

今晩、日が暮れて暗くなったころ西の空にはおとめ座があって(図2)、
地上を見ています。



図1 逃げるパンドラ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/683-fig1.jpg
図2 8月中旬ですと日没直後の西の空におとめ座と審判に用いたてんびん座が見えています。 (提供:Linda Hall Libray) http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/683-fig2.jpg
本文終わり
パワポ http://www.shibatashinpei.jp/lib/yamashin/683-fig.pptx references will be note-683

ありとあらゆる災い、苦労、疾病 このったものエルビス=予見、 予見はできない=二重苦 美しき疫病神、良き災い=パンドラ 争いと不正 人間の心が醜くなる。